コートドニュイ ヴィラージュについて、村名クラスのワインです。
コートドニュイで独自に村名AOCが認められていない5つの村のワイン
ブルゴーニュ地方の村名クラスというと、ジュヴレ シャンベルタンやヴォーヌロマネなど有名な村名AOCがありますが、コートドニュイの中でも独自の村名AOCが認められていない村があり、ワインを生産しています。これらの村で造られたワインが名乗れる村名クラスのAOCがこの「コートドニュイヴィラージュ」(Cote de Nuits Villages)で、1937年にAOCに認定されました。
このコートドニュイヴィラージュを名乗れる村は以下の5つの村に厳しく決められています。
コートドニュイ北部
フィサン村 (Fixin)の一部
ブロッション村 (Brochon)
コートドニュイ南部端 (ニュイサンジョルジュ以南)
プレモー プリッセイ村(Premeaux とその東にある Prissey)
コンブラシアン村 (Comblanchien)
コルゴロワン村 (Corgoldoin)
フィサン村は例外で村名AOCが認められているため、村名AOCまたはコートドニュイヴィラージュAOCとどちらでも名乗ることができます。
5村全体のぶどう栽培面積は160ヘクタール。この5村のぶどうであれば複数の村をブレンドすることも可能です。コートドニュイ地区も北部と南部では土壌が異なるため、ほとんどが北部と南部をブレンドしています。小さなドメーヌなら希少な南部のみや北部のみのものもあります。一般に北のものは力強く、タンニンも多く、南のものはしなやかで肉付きがよいと言われています。
コートドニュイのため95%が赤ワインです。特級や1級畑はなく、独立した村名クラスのワインですが、やや下とみられています。
コートドニュイ地区に限定されており、品質のレベルも低くなく、嬉しいことに価格がりリーズナブルです。知名度のない村名を名乗るよりコートドニュイヴィラージュの方が売りやすいという利点もあります。
1等級上げて「ヴィラージュ」の尊称を付けている
普通のワインより良いものを出せる地区に限り1等級上げて「ヴィラージュ」(Village)の尊称を付けることが認められています。例えばボジョレーもボジョレーヴィラージュの方が上です。
地方名クラスの単なるブルゴーニュ ピノノワール などに比べると品質のレベルも高く、1等級上の村名クラスとなります。コートドニュイでありながら比較的リーズナブルに入手できます。
最北端にあるマルサネ村もこのコートドニュイヴィラージュを希望していましたが、5村の反対でかなわず、とうとう1987年独自の「AOCマルサネ」が認定されました。マルサネはコートドニュイヴィラージュは名乗れません。
5村に限っているため、ジュヴレシャンベルタン村やヴォーヌロマネ村などコートドニュイの他の村のぶどうでできの良くなかったワインを格下げする場合でもこのコートドニュイヴィラージュは名乗ることができなく、ブルゴーニュ ピノノワールとなってしまいます。小さな5村が結束して品質を守っています。
コートドボーヌにもコートドボーヌ ヴィラージュがありますが、ニュイとは定義が少々異なります。
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まとめ
コートドニュイの赤ワインは他と比べて格別の味ですが、価格の高騰が激しく、なかなか普段飲みできないのが悩みです。このコートドニュイヴィラージュなら比較的手に届く価格で飲むことができます。ついつい有名な村名ばかりに目が行きますが、このコートドニュイヴィラージュはおすすめの村名です。
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