明治神宮にあるブルゴーニュのワイン樽
原宿駅近くの南参道から入って、2つ目の鳥居を過ぎたところに日本の酒樽が飾ってあります。全国の酒造メーカーから献納された201個の清酒の空の容器です。酒樽にはカラフルな清酒の名前を表す漢字とマークが描かれています。その酒樽の向い側に清酒とは対照的なシックな色合いの木樽、ワイン樽 (tonneau トノ―) が飾られているのをご存知でしょうか?
このワイン樽はフランスブルゴーニュの生産者から奉納されたものです。このワイン樽も残念ながら空容器です。
樽の正面にはそれぞれドメーヌの名前と銘柄が書かれていて、ロマネコンティやジュヴレ シャンベルタンなどがあります。2006年から始まり、毎年樽が増えて今は60樽が並べられています。
時間とともに、木樽はとても趣のある色合いになっています。明治神宮にワイン樽がおかれているのは明治天皇がワイン好きで、ワインを好んで飲まれていたからだそうです。
ブルゴーニュ名誉市民である佐多保彦氏がこの献納をブルゴーニュの関係者に働きかけ、造り手さん達から献納されるようになったとのことです。
明治神宮は外国からの観光客を多く見かけましたが、フランス人はこのワイン樽が明治神宮にあることをとても誇りに思っていて、嬉しそうに自慢していました。緑豊かな明治神宮に木樽がマッチしていました。
ちなみに宮中晩さん会で振舞われるワインはフランス産と決まっています。シャンパーニュ地方のシャンパン、白ワインがブルゴーニュ産、赤ワインがボルドー産とのことです。振舞われるお料理がフランス料理のためフランス産のワインを合わせています。令和になり、新天皇陛下になってもこの決まりは変わらないようです。
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下記はワイン樽の左横にあった説明です。
奉献 葡萄酒樽について
明治天皇御製
よきをとりあしきをすてて外国に
おとらぬくにとなすよしもがな
「和魂洋才」を旨とし、わが国の伝統のこころを守りつつ、西洋の優れた文物を採り入れた明治時代。御在世中、まさに国民の模範となって近代化を推し進められた明治天皇は、断髪、洋装をはじめ、衣食住の様々な分野において西欧文化を積極的に取り入れられました。食文化においても率先して洋食をお召し上がりになり、西洋酒としては特に葡萄酒をお好みになられました。
ここに奉供されております葡萄酒樽は、ブルゴーニュ東京事務所代表でブルゴーニュ名誉市民、シャトー・ドゥ・シャイイホテル オーナーでもある佐多保彦氏のよびかけにより。葡萄酒産地として名高いフランス共和国ブルゴーニュ地方の醸造元各社より献納されたものであります。ご縁により遠く海を越えご奉献頂いた方々に哀心より感謝を申し上げますとともに、御祭神の世界友好への深い御心を戴き、わが国とフランスとの親交が一層深まりますよう祈念いたします。 明治神宮
樽香を味わえる当社輸入販売のムルソー1級
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アルベール・ビショーの樽はヴォーヌロマネ1級
ワインの樽の中にアルベール・ビショーを見つけました。VOSNE-ROMANEE 1er Cru “Les Malconsorts”(ヴォーヌロマネ1級 レ マルコンソー)の樽です。
アルベール・ビショー社は6世代180年にわたる伝統と情熱により、ワインのエレガンスを最大限に表現するブルゴーニュの銘家。設立は1831年です。日本では長い間キリンの子会社である、メルシャン株式会社が総輸入元になっています。
Home & Kitchenが輸入しているルペ・ショーレ社は現在このアルベール・ビショー社が所有しています。歴史あるアルベール・ビショー社のワインは質へのこだわりを感じます。
昨年ボーヌ本社でお会いした6代目当主のアルベリック・ビショー氏はとても気さくで素敵な方でした。日本好きで有名な方です。クリマ(畑)を代々引き継ぐブルゴーニュの大手造り手です。
オスピス・ド・ボーヌのオークションにてアルベリック・ビショー氏
当社が輸入販売するヴォーヌロマネ1級です
「Les Rouges de Dessus」はヴォーヌロマネの南の丘の頂上にあり、有名な特級畑 Echezeaux(エシュゾー)の上に隣接しています。土壌はジュラ紀の石灰岩、丘陵地の石灰褐色です。有名なロマネ・コンティは同じヴォーヌロマネ村の小さな畑モノポールで造られます。
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