ブルゴーニュワインの熟成期間、難しい飲み頃の見極めは?

ブルゴーニュワインの熟成期間、飲み頃は-wine-opener

自宅でワインセラーに多くのワインを保管している方は、ワインの飲み頃について迷うことも度々。飲んでみてちょっと「若かった」という後悔も経験された方も多いと思います。逆に長く保管しすぎて飲み頃を過ぎて「こんなはずではなかった」という後悔もあります。飲み頃を過ぎた後悔はかなりのダメージになります。そこで飲み頃の目安をまとめてみました。

 

AOCの格付けによるお勧めの飲み頃目安

世界中で生産されるワインの約80%以上が製造されてから1年以内に飲まれると言われています。どんなワインでも長く置いて良いわけではありません。賞味期限などの表示はありませんが、テーブルワインなどほとんどのワインは購入したら早く飲んだ方がよいのです。

そんな中、熟成型のワインがほとんどのブルゴーニュワインは、AOCの格付けによって飲み頃、お勧めの年数の目安があります。

特級(グラン・クリュ Grand Cru)   15年以上
1級(プルミエ・クリュ 1er Cru)    10年以上
村名 (AOC コミュナル)  3-5年(Chablisなど)、7-10年
地域名(AOC レジョナル)  1-3 年(Passetoutgrain・Aligote・Macon Villageなど)、3-5年(Pinot Noir・Hautes-Cotes de Nuits・Chardonnayなど)、または5-7年

格付けが高いものほど長期熟成が保証されています。
地域名クラスは範囲が非常に広いため、お勧めの年数も3段階に分かれています。地域名クラスでも格が上ほど長く熟成します。

ワインは瓶のなかでも熟成し続ける

ワインは醸造したときから少しずつ熟成を続けます。もちろんボトリングされてからも瓶の中で徐々に熟成していきます。作り方、ヴィンテージによって熟成期間は異なり、いつまでに飲まなければならないという期限はありません

最近、2000年以降のワインの一般的な作り方で、熟成させる期間は比較的短めに、早めに飲めて、楽しめるように「早飲みタイプで」造られています。ただし格付けが上のものほど長く熟成させることによって、更なる魅力を引き出します。古典的な造り方のワインは10年以上経たないとその進化を発揮できないともいわれています。

作り手がそろそろ飲んでも大丈夫と思った時にボトリングして市場に出荷します。ブルゴーニュの場合は特に小さなドメーヌ(農家)が多く、作り手もなるべく早く売って資金を回転したいという事情もあります。その流れでブルゴーニュも早飲みタイプが主流になってきました。一度市場に出ると、もともと産量も少ないため在庫は少なくなり、だんだん古いビンテージは入手が困難になります。ブルゴーニュワインファンは出荷されたワインをその年に購入して、自宅のワインセラーで何年か何十年か熟成させてから飲む方も多いのはこのためです。

同じワインを2本購入して1本飲んでみて、まだ早いと思ったらもう一本をワインセラーで寝かせるというお話はよく聞きます。我が家でも3~4年熟成させただけで驚くほど美味しくなることは何度か経験しました。本当に同じワインなの?と思いました。ブルゴーニュワインファンにとってはこの上ない楽しみ方です。

当社が輸入販売するポマール、12年が経過してよく熟成し、素晴らしい出来栄えでした、まだ3-5年は飲み頃と思います

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難しいブルゴーニュワインの飲み頃の見極め

 

飲み頃を見極めるにはどうしたらよいか?保存状態やそれぞれのワインによっても異なるため一概には言えませんが、村名クラス以上であれば10-30年も珍しくありません。

2018年9月にフランスのレストランで1988年(30年熟成)のワインを飲みました。最初のボトルを開けた時にテイスティングした方がブッショネ (コルク臭、コルクに起因する品質劣化)を指摘。レストランが同じ銘柄とヴィンテージをもう一本出してくれました。最初の一本目ほどひどくはありませんでしたが、正直あまり美味しいとは思いませんでした。同じ銘柄・ヴィンテージでもボトルによって違うことがわかりました。

2019年6月にパリの友人宅でいただいた2006年(13年熟成)のピュリニモンラッシェの1級ですが、保管状況が悪かったのか、残念ながらシェリー酒っぽい味がしました。香りもほとんど立たなく、1級でも保存状況によって13年でも残念な結果になることがわかりました。色もかなり黄色いゴールドになっていました。開ける時の期待が大きかっただけに、かなりがっかりしました。フランスでもワインセラーや地下のカーブは必要ですね。

日本のように特に気温が高い夏に常温に置くと、熟成が早く進んで飲み頃頃を過ぎてしまうということがあります。

飲み頃を大きく過ぎてしまったワイン

 

飲み頃を大きく過ぎてしまったワイン保存状態が悪かったワイン酸化が進み、風味や味わいを損ねてしまい、色も変わってしまうことがあります。白ワインならシェリー酒に似た香りがします。赤ワインならマデラ酒に似た香りがします。個人的にはあまり美味しいとは感じませんでした。むしろ「もったいない」と思いました。

また30年以上のワインを、古酒の会でテイスティングさせていただきましたが、ボトルによって熟成度合いはまちまちで、酸化しているものもありました。村名クラスでも20年を越えたところで注意が必要です。

この辺がボルドー赤ワインのように30-40年熟成するワインと異なるところです。ブルゴーニュ赤ワインの単一品種でつくる、繊細なぶどう種ピノノワールの特徴ともいえます。

ちなみにボルドーの場合はカベルネソーヴィニヨン主体であれば30年、メルロー主体であれば20年の熟成が一応の目安です。30年熟成のカベルネソーヴィニヨンを飲んだことがありますが、最高の熟成でした。30年寝かせるのはなかなか簡単ではありませんが。ボルドーではメーカーから古いヴィンテージを出荷する際は「リコルク」といわれる、コルクの差し替えを行うのが一般的です。

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まとめ

 

ヴィンテージによって、できの良い年ほど寿命が長く、良くない年は短命ともいわれています。
目安はあるものの、正確な答えはなく、飲み頃かどうかはボトルを開けてみなければわからないところがワインの面白さでもあり、魅力でもあります。個人的にはあと3~5年位熟成しそうな「ちょっと早め」が一番美味しく、飲み頃と思います。ワイン好きの方はワインセラーに古いヴィンテージをそっと保管されている方も多いと思います。うっかり忘れてしまわないように注意が必要です。

当社が輸入販売する白ワイン、シャッサーニュモンラッシェ1級

Manoir Murisaltien(マノワールミュリザルティアン) シャサーニュ モンラッシェ Chassagne-Montrachet 1級 1er cru
Manoir Murisaltien(マノワール ミュリザルティアン)

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