あまり知られていませんがジュヴレシャンベルタンの隣村フィサンのご紹介です。
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ジュヴレシャンベルタンに似た長期熟成ワイン
有名なジュヴレシャンベルタン村の隣に位置するFixin(フィサン)はコートドニュイ地区にありながら比較的リーズナブルに入手できる赤ワインです。村名AOCは1936年に認定され、ディジョンとジュヴレシャンベルタンの間にある村です。
東と南東向きで、母岩は石灰岩。斜面の表土は小石の混じった褐色の粘土石灰質で、粘土質は保水の役割を、小石は太陽熱を集める役割を果たします。標高は270~400m。 フィサンは頑健な果実味や土っぽいタンニンが豊かな筋肉質タイプの赤を多く産出しています。
プルミエクリュ(1級畑)8つ、グランクリュ(特級)はありません。どことなく、ジュヴレシャンベルタンに似ていて、少し小ぶりにした印象ですが、優れた1級はコクがありリッチでです。若いうちはやや土の味とタンニンがしっかりとしていて、時間をかけて熟成します。色は非常に濃く、目の詰まったタンニンと力強いストラクシャーが特徴です。酸味も充分にあり、長く熟成します。斜面ではエレガント、ふもとでは肉付きのよいタイプが多くみられます。
フィッサン村の教会とクロナポレオンのブドウ畑の塀で日向ぼっこする猫、教会は10~12世紀のロマネスク教会(文化財)
当社輸入販売のフィッサン
フィサン村、1級のクロ ナポレオン(Clos Napoleon)、シュソ(Cheusots)とも呼ばれています。
フィサン出身の貴族クロード ノワゾ(Claude Noisot)は多くの戦争をナポレオンと共に戦い、エルバ島に追放された際にも同行したほどのナポレオン信者でした。ノワゾ氏はナポレオンの栄光を称え、ディジョンの彫刻家フランソワリュドに依頼して、ノワゾ公園とナポレオンの銅像「ナポレオンの目覚め」を造りました。ノワゾ氏の所有畑であった「シュソ」は後に「クロ ナポレオン」と名付けられました。銅像はちょっとした村の観光名所になっています。フィサン村で一番有名なモノポールです。
ナポレオン自身はシャンベルタンを愛していたことで知られています。
現在の所有者はピエール ジェラン(Domaine Pierre Gelin), 中肉中背の筋肉質で骨太な赤ワイン、土、スパイス、ミネラルが特徴的です。ジュラン氏の作りは最近洗練され、バランスよく上手にテロワールを表現しています。 ワインのラベルにナポレオン銅像が描かれています。
穏やかな表情のナポレオンの銅像、ワインのラベルのナポレオンは怖い顔をしていますが、銅像は違いますよ。
ノワゾ公園
アペラシオン フィサン の生産範囲のワインはCote de Nuits Village としても売られています
比較的リーズナブルな赤ワインコートドニュイ ヴィラージュ(Cote de Nuits Village)は、通常コート ド ニュイの北部と南部にある村から採れたぶどうを使用しています。主に北部はBrochon(Fixinの南隣)とFixin村の一部、南部はPremeauxの村などのぶどうを使用しています。BrochonやPremeauxは村名AOCが認められていないためコートドニュイヴィラージュとして売られています。
まとめ
生産量もあまり多くなく、日本では見かけることが少ないですが、見つけたら是非一度飲んでみたいワインです。コートドニュイの赤とコートドボーヌの白は価格がどんどん上がっていますが、そんな中とてもリーズナブルで質の高いおすすめのワインです。
クロナポレオンは通販で販売しています。ここ数年はブドウの樹の植え替えで収量が激減、価格が一気に倍になったとのことです。2014,2015のヴィンテージまでは比較的リーズナブルに購入できます。
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