ジュヴレ シャンベルタン村、3つの地区と9つのグランクリュ、その愛される理由

シャンベルタン-グランクリュ

ブルゴーニュの赤ワインといえば代名詞ともいえるジュヴレ シャンベルタン村 その背景と愛される理由について。強い赤ワインが好みの方も納得のブルゴーニュ赤ワインです。

グランクリュ 「シャンベルタン」(Chambertin) を有名にしたナポレオン

ナポレオンが遠征の際に必ず持って行ったといわれる特級「シャンベルタン」は、ナポレオンが愛飲したことで有名になり、シャンベルタンしか飲まなかったといわれるほどのお気に入りでした。
名前の由来は「ベルタン氏の畑」(champ Bertin)から来ています。

「シャンベルタン」はジュヴレ シャンベルタン村の9つのグランクリュ(特級)の中でも最も地質が複雑なクリマで、標高270-300mの高さに位置し、最も北に位置する3つのグランクリュの一つで、熟成には長い時間がかかり、熟成しないと開かないワインです。(最低でも10年~15年)ブルゴーニュ赤ワインの代名詞ともなるのがシャンベルタンです。日本でも「ブルゴーニュの王」として一番有名な赤ワインです。

 

 

ジュヴレ シャンベルタン(Geverey-Chambertin) はどんなワイン?

ジュヴレ シャンベルタン村はグランクリュ畑9つ、プルミエクリュ26を持ちますが、プルミエクリュは栽培面積が少なく、グランクリュ畑が三分の一ほどを占めます。

ピノ ノワールが完熟する北限に位置しています。ピノ ノワールというぶどう品種は極端な環境に置かれた場合に最もよい結果をもたらすといわれています。

村名はジュヴレですが、ナポレオンにあやかってその後に「シャンベルタン」の命名をつなげて名乗ることに成功し、AOC ジュヴレ シャンベルタンとなりました。

ジュヴレ・シャンベルタン村の赤ワインは力強く男性的、筋肉質、色が濃いめ(深いルビー色)で肉付きよく、タンニンが豊富なワインを生産します。カシスをはじめとする赤や黒の小果実の香りが強く、熟成するとアニマル、ムスク、毛皮、天草の香り、酸味も強く、ボディは固く、熟成するとビロードのような口当たりに変化します。

ブルゴーニュ赤ワインの中でもアロース コルトンポマールと並び力強い、男性的なワインです。

当社輸入販売のジュヴレシャンベルタン

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ジュヴレ シャンベルタン村の3つの地区

村名クラスのぶどう畑は3つの区域に分けられます。ラヴォー渓谷をはさむ両側の2つの斜面と、ふもとまで続く扇状地の区域です。コート ド ニュイの村名としては最も栽培面積が広く生産量も多い村です。

北側のコート サン=ジャック - プルミエクリュと村名畑
南側のコート デ グランクリュ - 9つのグランクリュ畑と村名畑
中央の扇状地 – 村名畑

ぶどう栽培の歴史は紀元前1世紀までさかのぼり、中世の630年からべーズ修道院が中心になり開墾をしました。今日のクリマの概念はジュヴレ シャンベルタン村から始まりました。中央にあるコンブ ラヴォーの谷を中心に二つの丘に分かれ、南の丘には9つのグランクリュ、北の丘にはプルミエクリュの畑があります。一級の畑は少なく、ほとんどが特級か村名です。

もう一つの特徴として、ジュヴレ シャンベルタン村は旧国道74号線よりも東側まで例外的にAOC村名区画が広がっています。コンブ ラヴォーから何億年もかけて流されたまった堆積物が扇状地を形成し東側の部分にまで石灰質の美味しが広がっているためです。道路の東側の区画でも非常に素晴らしいワインを生み出しています。

栽培面積が広く、村の中で地層や気象条件も異なることからできるワインに差が大きいため、AOC村名については3つの地区をブレンドすることがほとんどです。

9つのグランクリュのクリマの違い

9つのグランクリュのなかでも最も有名で高価、力強く、別格なのは

マジ シャンベルタン(Mazis-Chambertin) 渓谷からの北風、骨格がしっかりとし、野性的、シャンベルタン クロドベーズの東隣
シャンベルタン クロ ド べーズ (Chambertin Cros de Beze) 最上クリマ、繊細、優雅、女性らしいワイン、最古の畑と考えられている、昔ベーズ修道院が所有していた、特級の中でも別格
シャンベルタン (Chambertin) 最も複雑なクリマ、硬い男性的ワイン、ナポレオンのお気に入り、特級の中でも別格

この3つのクリマは最も北に位置し、開いて飲み頃までは熟成に10年~15年と長い時間がかかります。

最も飲みやすいクリマは

シャルム シャンベルタン (Charmes-Chambertin) シャンベルタンの真下にあり、女性的でソフト、果実味豊かな丸みがある
シャペル シャンベルタン (Chapell-Chambertin) チャペルが由来、昔礼拝堂があったがフランス革命で破壊された、果実味豊かでシャルムより固め、グリオットシャンベルタンの西側に位置

この2つのクリマは繊細なテクスチャのワインで、数年で飲めるようになります。

比較的価格が落ち着いているのは

ラァトリシェール シャンベルタン(Latricieres-Chambertin) ミネラルが強く、引き締まったボディで硬い、シャンベルタン畑の西隣、クロドラロッシュと地続き

その他
マゾワイエール シャンベルタン (Mazoyere-Chambertin)シャルムに似ている、土砂の堆積に覆われている、モレサンドニ村に隣接している
グリオット シャンベルタン (Griotte-Chambertin)熱がたまりやすく、果実味豊かである、グリオットは果実の名前(野生のさくらんぼ)
リュショット シャンベルタン (Ruchottes-Chambertin)マジの真上、石灰岩の岩盤の上にある表土が薄く痩せた土壌、酸味が高い

グランクリュ街道(Route des Grands Crus)を通ると、街道の左右に、標高260~320mの南東向きの斜面に名だたる特級のブドウ畑が次々と並びます。画像のある壁画の地図の通り。グランクリュ街道の左右の特級畑は広々した、かなりなだらかな斜度の丘になっています。

作り手違い5種の飲み比べワイン会

通っているポケットワインスクールで5種のジュヴェレ シャンベルダンのテイスティング会に参加しました。

5種のテイスティング
Geverey-Chambertin Maume 2014  今トレンドなモダンな作り方、軽め、あと2~3年くらい熟成が必要
Geverey-Chambertin VV domaine de Bellene 2011 50年以上の古木使用古典的作り、土っぽい香り
Geverey-Chambertin Domaine Camus Pere et Fils 2011 昔ながらの古典的作り方、野性的な香り
Gevery-Chambertin Courtiers Selections 2006 複雑な香り
Geverey-Chambertin 1er Cru Romuald Valot  1994 古いヴィンテージで、オレンジがかった色、熟成が進み、酸が溶け込んでタンニンを強く感じました。飲み頃

ポケットワインスクールHP

ジュヴェレ シャンベルタンの美味しさを再認識し、大満足でした。

まとめ

ブルゴーニュワインは好きだけど、ちょっと物足りない、もう少し強い赤ワインが好みという方でもこのジュヴレ シャンベルタンは好きという方はよく聞きます。

ジュヴレ シャンベルタンはブルゴーニュワインらしい繊細さも持ちながらストラクチャーがしっかりした力強いワインです。ブルゴーニュワインの魅力は同じピノノワールで単一品種で造るにも関わらず、畑によって、作り手によって全く異なるワインが出来上がることです。この魅力に取りつかれるとナポレオンのようにすっかり虜になります。

 

 

当社輸入販売のシャルム・シャンベルタン、2009年です

 

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