意外と簡単なブルゴーニュワインのラベル(etiquette エチケット)の見方について。ブルゴーニュワインのラベルに記載されているのは以下の6つです。そのなかで3つのポイントを絞ってみると難しくありません。
目次
AOC名、原産地名称 (Appellation d’Origine Controlee)
小さめの字で Appellation xxxx Controlee
特級と1級の場合はその上下にやや大きめに畑名
AOC名(原産地名称)は
グラン・クリュ畑(特級): Grand cru + 畑の名前
一級畑(1級): 1er cru + 畑の名前
村名(ヴィラージュ): Vosne-Romanee など村名
地方名(レジョナル):Bourgogneなど地方名
の4つのランクに分けられます。畑など範囲が狭くなるほど、狭い地区で栽培されたぶどうのみを使用しており、地方名など範囲が広くなるほどその地方の複数の畑で栽培されたぶどうをミックスして使用しています。区画が小さくなるほどAOCの決まりが厳しくなり、大変高価になります。(日本のお米と似ています。)
ブルゴーニュでは畑に対して格付けがあり、畑には複数の生産者がいます。ボルドーがシャトー(生産者)に対して格付けしているのとは対照的です。
1級畑例
大きく VOSNE-ROMANEE 1er Cru その下にAppellation d’origin Controlee
または Appellation VOSNE-ROMANEE 1er Cru Controlee とある場合
1級:ヴォーヌロマネ一級のAOCという意味で、その下にさらに1級畑の名前”Les Rouges du Dessus”が明記されています
村名例
大きく MEURSAULT その下にAppellation d’origin Controlee
または Appellation MEURSAULT Controlee とある場合
村名クラス:ムルソー村のAOCという意味です
地方名
大きく Bourgogne その下にAppellation d’origin Controlee
または Appellation Bourgogne Controlee とある場合
地方名クラス:ブルゴーニュのAOCという意味です
当社輸入販売のヴォーヌロマネ1級
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ドメーヌ名(ワイナリー名), ぶどうの栽培、瓶詰が行われた事業者と場所
Mis en bouteilles par XXXX XXX社により瓶詰(ボトリング)された
Mis en bouteilles au domaine ドメーヌで瓶詰(ボトリング)された
Mis en bouteille a la propriete par XXXX 生産者XXX社により瓶詰された
ワインの生産者・瓶詰業者名と所在地
ブルゴーニュでは生産者(ワイナリー)をドメーヌと呼びます。ボルドーでは生産者をシャトーと呼ぶのと異なります。
瓶詰業者の例
Mis en bouteilles par EMB a F-21054C 事業者番号が書かれています
ROMUALD VALOT ロミュアルド・ヴァロ により瓶詰された
a Beaune (Cote d’Or) France ボーヌ コートドール フランス にて
ラベルに大きくドメーヌ名が書かれている例
Domaine Lupe-Cholet ドメーヌ ルペ・ショーレ
ラベルの左端に縦書きで
Vinifie, eleve, et mis en bouteille par Lupe-Cholet A Beaune, Bourgogne, France フランス、ブルゴーニュ、ボーヌのルペ・ショーレ社によるぶどうの栽培、瓶詰(ボトリング)
このようにワインに対して法的責任を負う、最終の瓶詰を行った会社をラベルに明記します。ドメーヌの場合はぶどうの栽培から瓶詰まで同じ会社で行います。
更に「Monopole」(モノポール)と書かれている場合は一つの会社(ドメーヌ)が単独で所有し販売しているぶどう畑のブドウを使用していることを意味します。
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ネゴシアン (Negociant:ワイン商、生産者からぶどうを買って醸造・熟成・瓶詰・販売する会社)が生産者からぶどうを買い取った場合は、ぶどうの生産者名は書かれていないのでわかりません。
ブルゴーニュの小さなぶどう農家は自社で醸造しないで、ネゴシアンにぶどうを売るところもあります。
ヴィエイユ・ヴィーニュ(Vielles Vignes) 日本語で古木を使用している場合もラベルに明記されることがあります。
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PINOT NOIRなどぶどうの種類を明記することもあります。複数のぶどうの種類をブレンドするボルドーのワインに対して、ブルゴーニュワインは単一のぶどう品種を使うためです。
ヴィンテージ(millesime ミレジム)
ぶどうの収穫年を表示します。クレマン ド ブルゴーニュ以外はAOC法により収穫年を混ぜることはありません。メインラベルに入れることもありますが、ボトルの上の肩の方に別途ラベルが貼られていることが多いです。
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容量
容量は通常のボトル : 75cl、clで表示されています(mlの10倍=750ml)
ハーフボトル : 37.5cl (mlの10倍=375ml)
マグナム(magnum)ボトル : 150cl (mlの10倍=1500ml)通常のボトルの2本分になります
下記のように更に大きなボトルサイズ6種もありますが、生産量が少なく非常に希少で高価です。(2018年9月ボンマルシェにて)
ジェロポアム 300cl
レオポアム 450cl
マチュザレム 600cl
サルマナザール 900cl
パルタザール 1200cl
ナビュコドノゾール 1500cl
アルコール度数
アルコール度数は13% vol など、100ml中に含まれるアルコールの%, 日本では度を使うことが多いですが、「1度」=「1%」
通常の辛口赤・白ワインだと10.5~14.5%、甘口やスパークリングは比較的度数が低めです。ぶどうの糖分がアルコールの強弱を左右するため、ヴィンテージで天候や日射量によって違いが出ます。
ブルゴーニュワインは日本酒(15~16%)より少し低めです。
フランスの法律で販売には必ずラベルに明記するように義務付けられています
原産国
Produit de France, フランス製品とあります。フランスの法律で輸出品には必ず明記を義務付けられています。
まとめ
その中で、最低限特に大切な3つのポイント「AOC名(原産地名称)、ヴィンテージ、生産者名」を確認しましょう。
ブルゴーニュワインには 産地 Grand vin de Bourgogne と明記されています。
また細かい特徴や畑の地図などをバックラベルに貼っているワインもあります。ワインのラベル(etiquette エチケット)はAOCの証明書のような存在であり、大変重要です。古酒でラベルがボロボロになった場合は高価なワインでも高い値がつきません。ダイヤモンドに例えると保証書のような存在です。
ブルゴーニュワインは一番大きな文字で書かれているAOC名(原産地名称)、ヴィンテージ、生産者名、この3つがワインのクオリティを証明する大事な要素となります。
ワインショップやレストランでワインのラベルを見る時はこの3つを確認してください。
どのランクのワインなのか(AOC)
何年くらい熟成しているのか(ヴィンテージ)
誰が生産しているのか(ドメーヌ)
を確認しましょう。
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