世界遺産モンサンミッシェル(Mont-Saint-Michel)を訪ねて

モンサンミッシェル

フランス西海岸、サンマロ湾の小さな島(岩山)にあるモンサンミッシェルは潮の満ち引きが大きく、驚くほど異なる表情を見せる修道院です。1979年に世界遺産に登録されています。ノルマンディ地方の南端、ブルターニュ地方との境にあります。「聖ミカエルの岩山」として中世から多くのカトリックの巡礼者たちが訪れました。今は年間300万人以上の観光客が訪れる有名観光地です。

干満の差が激しく景色が変わる

画像のように干潮のときはぽつんと浮かぶ小島のように見えます。島全体が要塞のようです。満潮の時は海水が島を覆い島全体が海に浮かぶ古城のようになります。海に浮かぶ世界遺産という点で日本の広島の「厳島神社」と共通点があり、姉妹都市提携もしています。潮の満ち引きの差は15m以上あり、満月などの大きな潮が押し寄せるときは沖合から引いた潮が猛烈な速度で押し寄せます。中世の巡礼者はぬかるみに足が埋まり抜け出せなくなり命を落とす人も多かったようです。

1877年に潮の満ち引きに関係なく島に渡れるように堤防を造成して対岸との間に道路を作りましたが、これによって潮流がせき止められ100年で2mもの砂が堆積して島の陸地化が進みました。

再び「島」としての景観と機能を取り戻すために地続きの道路が取り壊されました。橋の架け替え、砂の除去(堆積物撤去)、川の流れを制御するダムの建設など、国家事業として約300億円ともいわれる費用をかけて2014年に新しい脚付きの橋を造りました。利便性を求めて自然に逆らったことへの教訓ですね。最近では島の間際まで潮が来ることは年に20回ほど。今は車の乗り入れが制限され、徒歩やシャトルバス(ナヴェット)で橋を渡ります。

モンサンミッシェルからの眺め

モンサンミッシェルからの眺め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修道院、歴史と建築物

708年、先住民のケルト人の聖地として知られて来たこの島に、大天使ミカエルの啓示で礼拝堂が建立されました。その後966年にベネディクト派修道院が造営され、巡礼地として広く知られました。10世紀には修道僧が島内の修道院に移住するようになります。

14世紀には英仏百年戦争で両国間の要衝に位置することから難攻不落の城塞として機能したことも。数世紀の間に、幾度もの火事や崩壊に合い、その都度ロマネスク様式からゴシック様式など異なる建築様式で修復され今の姿になっています。

驚くのは中世の優れた建築技術です。中世の建造者たちは険しい地形にもかかわらず、この地で建築に力を注ぎました。1000年にプレロマネスク様式の教会、11世紀にロマネスク様式の修道院を建立。奇跡のように岩の斜面にそびえ立つゴシック建築。島の上にそびえる修道院の尖塔の先端には大天使ミカエルの像があります。修道院のふもとにある付属教会サンピエール教会には素敵なステンドグラスが見られます。

15世紀に築かれた大通り門は敵の侵入を防ぐために造られ、要塞として利用された歴史を物語っています。 入り口から修道院をつなぐ細い参道、グランドリュ、両脇にはホテル、レストランやお土産屋さんが並んでいます。
英仏百年戦争に軍事目的で作られたガブリエルの塔には大砲の設置跡があります。

修道院の中庭のラ メルヴェイユ(驚異)と呼ばれる修道士の住居区にある回廊には鮮やかなグリーンの芝生が生えています。中庭には光が差し込み、開放感が嬉しい。

モンサンミッシェルの修道院中庭

モンサンミッシェルの修道院中庭

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巨大な城壁と食料を運び上げた運搬機がありました。上には大滑車があり、8人ほどでクルクル回って運び上げました。17世紀末~19世紀まで修道院は閉鎖されフランス革命時反革命勢力の人々が囚人として送られ、なんと監獄として使われていた時代に活躍したものです。

モンサンミッシェルの修道院を見上げて

モンサンミッシェルの修道院を見上げて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すぐ近くではのどかな雰囲気の中、羊が放牧されていました。海の影響で塩分とミネラルが豊富な牧草は、仔羊の肉に独特の味わいを与えます。モン・サン・ミッシェル湾の牧草地で飼育されたプレサレと呼ばれる鼻の黒い仔羊です。

モンサンミッシェルの近くの羊

モンサンミッシェルの近くの羊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

20代の頃に始めていったときはまだ道路があり、防波堤には車やバスの駐車場がありました。改めて今回思ったのはあの頃に比べてかなり観光地化が進んでいることです。とにかく観光客でごった返しているという印象です。初めて行ったときはパリから約360Km,ローカルな電車を何度か乗り継ぎ、電車の本数が少なくて、駅のホームで長い時間待った記憶があります。今は電車の便も観光バスも増えており、行きやすくなっています。今回はサンマロに滞在、車で1時間ほどで到着しました。

夜景や夕日を見たい場合は対岸のラガゼルヌ地区にあるホテルに泊まるとよいらしいです。客室から修道院がみえ、早朝散歩も楽しめます。また行く前に潮の満ち引きのスケジュールを調べておくとよいですね。

国家事業として大きな予算をかけて自然を守り、観光地としても残せるようにしたのはさすがフランスです。海に浮かばないモンサンミッシェルではつまらないですよね。これから長い年月をかけてまた「島」の景観に戻ることを祈ります。

 

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