ボルドー右岸のワイン生産地の一つとして有名なサンテミリオンを訪ねました。ボルドーの北東約40Kmにあります。ちいさな中世の町並みが美しいサンテミリオンは紀元2世紀には古代ローマ帝国によってぶどうが植えられた記述があります。村の住人は約2千人弱に対し、なんと年間に訪れる観光客は100万人以上という町です。くねくねと続く石畳の道など中世の面影が残り、半日で回ることができます。ワイン産地としては初めて1999年に世界遺産に登録された場所でもあります。
町のシンボルのモノリス教会(Eglise Monolithe)
町の名前の由来は8世紀にこの地の森の洞窟に隠遁した、ブルトン人、ベネディクト派の修道士聖エミリオ(Saint Emilion)にちなみます。その後聖エミリオに付き従った弟子の僧侶たちが、ワインの醸造や販売も盛んに行うようになりました。聖エミリオが亡くなると弟子たちは断崖に穴を掘って墓を築きました。聖エミリオを偲び信者を啓発するために多くの巡礼者を受け入れることができる大きな教会を掘ることになりました。
モノリス教会は聖エミリオの墓の上に12世紀初頭にその名の通り巨大な一枚岩(石灰岩のモノリス)をくりぬいて作られた、長さ38m高さ12mというヨーロッパ最大の教会です。町の中心部にあり、シンボルになっています。前の広場にはレストランのテラス席がたくさんあります。高さ68mの教会の鐘楼からは中世の町並みやぶどう畑を眺めることができます。
また12世紀にはベネディクト会の修道院が建設され、修道院教会となったのがロマネスク様式のサンテミリオン聖堂参事会教会。モノリス教会のすぐ近くにあり、中世の面影を残す教会として一緒に訪問することができます。
12世紀後半からアキテーヌ地方がイングランド領となり、イギリス王の命によりワインの自治組織ができ、ワインの品質管理を徹底することで名声が高まりました。また中世に盛んになったサンティアゴ デ コンポステーラへの巡礼街道沿いにあり、多くの巡礼者によってワインの評判が各地に伝わり、サンテミリオンはワインの銘醸地として有名になりました。

モノリス教会の鐘楼から町の眺め

サンテミリオン聖堂参事会教会の中庭に面したロマネスク様式の身廊
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メルロ主体のぶどう畑
サンテミリオンはドルドーニュ川右岸に位置する町サンテミリオンを拠点に広がるワイン産地で、5,400ヘクタールのぶどう畑に約1000ものシャトーが密集しています。左岸に比べるとシャトーの規模が小さいのも特徴です。
2つのAOCに分かれています
AOC サンテミリオン
AOC サンテミリオン グランクリュ
ボルドーの他のエリアに比べてサンテミリオンは内陸に位置し、海の影響を受けにくく、昼夜の気温差はやや大きくなります。土壌はサンテミリオンもその衛生地区も概ね石灰岩を母岩にもつ粘土石灰質ですが、サンテミリオンの丘の斜面や台地(コート 丘)、ドルドーニュ川に近い平野部(グラーヴ 砂利)で土壌は異なり、同じサンテミリオン内でも複雑で変化に富んでいます
特にコートと呼ばれる町を囲む石灰岩系の丘陵地帯は粘土石灰質土壌でメルロの栽培に適しており芳醇でまろやかなタンニンが特徴のワインが生まれます。栽培全体の65%がメルロです。
サンテミリオンで栽培されている主なブドウ品種はメルロ、カベルネ フラン、カベルネ ソーヴィニヨン、マルベック(コット)、カルムネール、プティ ヴェルド。これらの6つの黒ブドウ品種がAOCサン テミリオンを名乗ることができます。 実際には多くのワインはメルロ主体でそれにカベルネ フランやカベルネ ソーヴィニヨンをブレンドして造られます。
ボルドー左岸のカベルネ ソーヴィニヨン主体のワインと比べると柔らかく、なめらかでふくよかなワインになります。

サンテミリオンのぶどう畑
サンテミリオン, 隣のポムロルのワイナリーでティスティング
ボルドーからガイドさんと共にフランスの田園地帯を抜けて景色を楽しみながらサンテミリオンまでドライブを楽しみ、3つのワイナリーを見学、それぞれにテイスティングさせていただきました。
シャトーベルビュ(chateau bellevue) AOC Saint-Emilion, Saint-Emilion Grand Cru
シャトー バルスター ラ トネル(Chateau Balestard la Tonnelle) AOC Saint-Émilion Grand Cru Classé
シャトーフェラン(Chateau Ferrand)AOC Pomerol
最初に訪問したシャトーはブルゴーニュに近い家族経営の小さなワイナリーでした。2番目のシャトーはかなり近代化されたボルドーらしい設備でした。ステンレスタンクもぴかぴか、樽の保管も自動で動かすことができる設備でした。最後のポメロルは丁度その中間くらい。偶然ですが、Chateau Ferrandは15年くらい前に日本で木箱で知り合いから12本を購入したことがあり、とても美味しい印象が残っていました。今はオーナーが変わっていたのですが、テイスティングで2017ヴィンテージの熟成が丁度よく、1本購入して帰りました。

シャトーベルビュ

シャトー バルスター ラ トネルのステンレスタンク

シャトー バルスター ラ トネルのワイン樽保管庫

ポムロルのシャトーフェラン
まとめ
ずっと行ってみたかったサンテミリオン、思った通りとても素敵な可愛らしい町でした。シャトーの訪問やテイスティングもできて満足です。中世の時代からとはいえ、観光客が思いのほか多かったのはちょっと驚きました。ワインの産地なので、アメリカや中国からの観光客も多く見かけました。
シャトーフェランとの再会は思いがけずとても嬉しかったです。久しぶりにボルドーワインと向き合うよい旅になりました。
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