まだ閉鎖的であると言われるブルゴーニュワインの醸造の世界に日本人がチャレンジし、大成功を収めています。その成功の秘密は師匠のちょっとした言葉でした。今では彼の作るワインは日本を中心に大人気で品薄になっています。
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ジュヴレ・シャンベルタン村にぶどう畑を所有、醸造所、カーブを開設
世界で認められた唯一の日本人ブルゴーニュ生産者として2018年1月にNHKの番組「プロフェッショナル」でも紹介された仲田晃司氏。番組放映の後は「ルーデュモン」が一時完売したほど反響がありました。
「ブルゴーニュの神様」と呼ばれた醸造家アンリ ジャイエ氏が、2003年の仲田氏の醸造所のお披露目パーティに招かれ、仲田晃司氏の「ルー・デュモン」を大絶賛したことから有名になり、世界的に認められるようになりました。それまでは日本人が作ったブルゴーニュワインだったものが、一気に「神様が認めたブルゴーニュワイン」になりました。天才醸造家と言われたアンリ・ジャイエ氏の言葉はワイン業界では非常に重みと影響力がありました。
2008年にとうとう念願の自社ぶどう畑を入手し、ジュヴレ・シャンベルタン村に自社カーブを設立しました。代々伝わるぶどう畑を家族が継ぐのが当たり前のブルゴーニュで日本人がぶどう畑を所有することはなかなか認められないことでした。かなり苦労された様子が番組で紹介されました。
アンリ・ジャイエ氏から、日本人としてのアイデンティティをより表現することをアドバイスされました。
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自然と人間に対する真摯な尊敬の念
この2つの思いを込めて、オレンジ色に毛筆で「天・地・人」と印刷したユニークなラベルを作成しました。
「人」の文字が一番大きく書かれているのは、作る人・流通・販売・レストラン・味わう人など、ワインに様々な形で関わった人のつながりを考慮しました
仲田晃司氏とブルゴーニュワインとの出会い
岡山県出身で、大学時代にフレンチレストランのアルバイトを通してワインに出会い、自分で美味しいワインを作ってみたいと思ったことがきっかけでした。1995年に渡仏し、フランス語を学びながら、ワイン醸造家の元で本格的なワイン醸造を学びました。1992年にはボーヌの名門ワイン学校(CFPPA: Centre de Formation Professionnelles et de Promotion Agricole、ボーヌ農業促進・職業訓練センター)で学位を取得します。
いくつかの名門ワイナリーに勤務し、2000年独立し、ブルゴーニュに「ルーデュモン」を設立しました。「ルー」=親しい女の子の名前「デュモン」=山 にちなんでつけた名前です。
仲田晃司氏のワインへの情熱
ワイン造りにかける思いや情熱、その姿勢が並外れており、現地のフランス人があきれるほど。早朝から夜中まで勤勉に、細部にこだわる職人技でした。日本人独特のの繊細さやこだわり、感性をものづくりに生かした仕事ぶりです。ワイン造りに自然や人間に対するリスペクトや思いがあり、それを表現したワインとも言えます。本来西洋、フランスのものであるブルゴーニュワインを日本人の職人技によって造ったワインです。
仲田晃司氏が造りたいワインは決して高級ワインではなく、飲んでおいしいワイン。みんなに飲んでもらえないような高価な値段のワインは作らないという考えの元、手の届く価格帯のワインを作り続けています。
仲田氏は、韓国籍の奥様と二人のお子様の4人でブルゴーニュに暮らしておられ、年に1,2度来日、講演会やプロモーションイベントに参加されます。
フランス国内の流通は5%と少なく、95%が世界中に輸出されています。世界で認められた、日本人醸造家が作った希少なブルゴーニュワインを一度味わってみてください。
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「ルーデュモン」は人気上昇中で品薄に、ラベルの色の違いに注意
ますます人気が高まり、一般の店舗では、大手含め売り切れが多く、なかなか入手が難しいようです。店舗数が多いところは1店舗あたりの入荷数が限られているとの情報です。ブルゴーニュワインなのでそもそもの産量が多くなく、限られたぶどう畑で増産も難しい状況です。ネットの方が比較的入手しやすく、好きな銘柄を見つけたら買った方が良いと思います。
オレンジのラベルが仲田氏が醸造した「ルーデュモン」。
白いラベルの「ルーデュモン レア セレクション」は仲田氏が味見して、厳選して買い付けた蔵出し古酒。自身が醸造したものではなく、ワイン商(ネゴシアン)として、瓶で買い付けラベリングしたワインです。生産者名は非公開です。レアは娘さんのお名前。
また昨年からスタジオジブリとのコラボレーションラベル「ルーデュモン 紅の豚」(白いラベル)を限定販売しており、こちらも少々入手が難しくなってきています。こちらはブルゴーニュワインではなく、比較的リーズナブルな南仏ペイドック地区のワインです。赤ワインはメルローやカベルネが入ってるので、ボルドーワインに近い味わいです。ラベルにシャルドネやピノノワールとあるものはペイドック産ですがブルゴーニュワインに近い単一品種のものです。お間違いなく。
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まとめ
今では知らない人はいないくらい、ブルゴーニュでは有名な日本人です。それまでのご苦労が実った形ですね。その後も様々なラベルが登場しています。ちょっと紛らわしいですが、ラベルをよく見てから購入しましょう。
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