同じシャルドネとは思えないくらい、ブルゴーニュの白ワインでも銘柄によりそれぞれに個性のある味わいを持っています。なぜでしょうか?
世界一の人気を誇る白ぶどうシャルドネは世界中で生産されています
フランス ブルゴーニュ地方のみならず、世界中のあらゆるワイン産地で生産されている「シャルドネ」は「白ワインの女王」ともいわれ、世界的に人気のある白ワインのぶどう品種です。
主な生産地
フランス: ブルゴーニュ地方、南フランス、シャンパーニュ地方
アメリカ:カリフォルニア ナパ、ソノマ
チリ:カサブランカヴァレー
オーストラリア : アデレートヒルズ
日本 : 長野県
だいぶ前になりますが、2001年に公開された「ブリジットジョーンズの日記」という当時人気のイギリス映画で主人公のブリジットがシャルドネが大好きで、失恋のたびにシャルドネを飲んでいたのを思い出します。確かオーストラリア産のシャルドネでした。映画のなかで英語なまりの「シャルドネ」という名前がとても美しく響きました。
シャルドネという名前はブルゴーニュ、マコン地区にある村の名前で、シャルドネの故郷ともいわれています。
シャルドネの特徴
品種独特の個性や香りがなく、外部からの影響を受けやすい品種であり、産地や作り手により様々な味わいがあります。土壌(テロワール)や醸造方法、作り手の個性をまるで「鏡」のように映し出し、反映する品種ともいえます。
小粒で皮が薄く、黄緑色から薄いピンク色。シャルドネからできるワインは作り方や地方によって無色透明なものから、黄金色まであります。味わいも酸味の強いものから、非常にコクのあるものまで様々なものが出来上がります。
オーク樽で発酵、熟成させることもでき、新樽を使用しても優れた果実味が引き出されます。オークとの相性は抜群です。
冷涼な気候で栽培し、ステンレスタンクで醸造すると、青りんごやライムの香りが出ます。
新世界で温暖な気候で栽培するとパイナップルなどのトロピカルフルーツ、バニラやナッツの香りがでます。
MLF(マロラクティック発酵)により酸味を柔らかくすることができます。
シャブリ vs コートドボーヌ(ムルソー、モンラッシェ)、白ワインの違い
シャブリ(Chablis) : 香り豊かな辛口の白ワイン
シャンパーニュに近い冷涼な気候と「キンメリジャン」と呼ばれる牡蠣の化石を含み石灰質の土壌が「ミネラル」の風味をもたらします。シャブリ特有の「キンメリジャン」の土壌の特徴を十分に引き出すために、ほとんどがステンレスタンクによる醸造を行います。そのため、柑橘系、青りんご、洋梨、ミネラル、火打石、白い花などの香りがあります。
すっきりとした酸を伴うアタック、柑橘系の酸、余韻にリンゴやミネラルのニュアンス、若干の「塩味」があります。
コートドボーヌの白ワイン : 複雑で濃厚、長期熟成に耐える。エレガントで余韻が長い白ワイン
偉大な白ワインの産地「コート・デ・ブラン(白い丘)」(最高級な白を造る斜面)で獲れるシャルドネ。
MLF(マロラティック発酵)によりまろやかで厚みのある酸とヨーグルトやバターの香り。オーク樽発酵による木の香り、少し焦がしたロースト(トースト)アーモンドやヴァニラの香りと、コクと深みを与える苦味を感じます。ややボリュームのある酸(きめ細やかな)を感じますが、酸はバランスがとれていて柔らかく感じます。やや強めの粘性があり、色調は濃いめのイエロー。
複雑で濃厚、長期熟成に耐えるエレガントで余韻が長く続きます。
まとめ
シャルドネは産地や銘柄によって異なる味や香りがあるために、同じぶどう種であることが信じられないと思うこともしばしばあります。ブラインドテイステイングでは最も難しい品種とされています。
コートドボーヌの白ワイン、ムルソーは最初に飲んだ時のショックは今も忘れられません。白ワインとは思えないほどの強さと個性がありました。そしてシャブリやマコネ地区などのその他の白ワインと同じシャルドネ種なのに、なぜこんなに違うのかが、シャルドネというぶどう種の特徴と土壌や醸造方法の違いからくるものであることが理解できました。
当社輸入販売の、ブルゴーニュのシャルドネ飲み比べ4本です
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