コートドールの入り口(北端)、ディジョンのすぐ南に位置するAOCマルサネのご紹介です。
長くガメイ種のテーブルワインをディジョンに供給していた歴史
中世のころは、マルサネは今より評価が高く、ブルゴーニュ大公とフランス王家も畑を所有していましたが、その後衰退しました。
18世紀頃、お隣の美食の街ディジョンで消費されるテーブルワインとして、マルサネではピノノワールの代わりにガメイ種が植えられていました。商業的には成功していました。昔は「コート ディジョネ」と呼ばれていました。
一方コートドールの他の村では高級ワインの名声と目を見張る繁栄ぶりで、マルサネのぶどう農家は失地回復に挑戦しました。ピノノワールに植え替えてみたものの、最初はなかなか質の高いワインにはなりませんでした。お隣のフィサンにすっかり出遅れてしまいました。
マルサネ ラコートの観光案内所の前にある大きなブドウを運ぶ二人の銅像、テーブルワインで商業的には繁栄していた。
1987年に村名AOCが承認された、遅咲きのアペラッション
1919年にドメーヌ クレール ダユ(Domaine Clair-Dau)によって初めてピノノワールでロゼワインを作りました。ロゼは大成功し、それに刺激されて他の栽培者も奮起追随しました。当時ディジョンのカフェでマルサネロゼは大流行しました。フランス三大ロロゼに入れることもあります。
畑と気候の特徴を生かした特徴あるワインを作り出し、1987年に村名のAOCとして認証されました。「マルサネ」(赤、白)「マルサネロゼ」のAOCとしてコートドールの村名の仲間入りをしました。コートドールでは唯一赤、白、ロゼの3つが承認されているAOCです。
まだ一級はありませんが、14の優良畑が現在INAO(国立原産地呼称機関)に申請中です。王の畑クロデュロワ(Clos du Roy)などが有名です。
生産者たちはコートドニュイ ヴィラージュの名前で売ることを望んでいましたが、ヴィラージュの村の反対にあい、実現しませんでした。
ドメーヌ クレール ダユはその後相続問題で2つにドメーヌに分かれました。現在はドメーヌ ブリュノ クレール、ドメーヌ シルヴァン パタイユ
マルサネAOCを名乗れるのは下記の3つの村
マルサネ ラ コート(Marsannay-la-Cote)
シュノーヴ(Chenove)
クシェ(Couchey)
当社が輸入販売するマルサネ 赤ワイン
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赤、白、ロゼ3種をつくる、ブルゴーニュ唯一の村名AOC
北端にあるため気候は冷涼で酸味が締まったシャープな味わいが特徴です。標高260~320m, 斜面は東向きで十分な日照量が確保できる、傾斜は穏やかです。斜面の中腹から上部は赤、白ワイン用、最上部と県道東側の平坦地でロゼワイン用のぶどうの栽培をしています。土壌は中期ジュラ紀の石灰質の泥灰岩、更新世紀前の砂や小石の堆積物、ウミユリの化石岩などの複雑な土壌で、コートドニュイの土壌に近い。
赤 ピノノワール、色合いが濃く、タンニンの強いボディながらしなやかな印象、カシス、ブルーベリーなど赤と黒の果実の香り。全体の7割の生産量。
白 シャルドネ、生産量は少ない、きれいな酸味を持ち、親しみやすい、柑橘類や白い花の香り。
ロゼ ピノノワール(ガメイをブレンドすることもある),しっかりとした果実味が特徴的でボディのあるスタイルが多く生産されています、ぶどう畑のモモ、スグリの香り、全体の2割の生産量
マルサネロゼに鯛のフォンダン(低温調理)ハーブソース添えを合わせて、上品なロゼは夏にぴったりです。鶏や豚などの白いお肉にも合います。シャンパーニュグラスでいただきました。よく冷やして飲み始め、徐々に温度が上がり香りが立ち上がってきます。ルイジャドとブリュノ クレールのマルサネロゼはロバートパーカー氏も絶賛しています。「馬鹿にするべからず、辛口で香気すぐれ、美味である。」
まとめ
マルサネと聞くとロゼ(Rose de Marsannay)のイメージが強いですが、最近は赤ワインの品質も高くなってきています。コートドニュイの割にはお手頃価格で注目されています。あまり知られていないといっても、コートドニュイの赤はリーズナブルな価格で一度飲んでみたいワインです。特に1級申請中の畑は今後は確実に価格がUPします。
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