クリスマスのメニューに高級食材として有名なオマール海老を料理してみました。意外と簡単にできるのでワインとのペアリングおすすめします。
オマール海老とは
フランス語でオマール(Hommar), 英語ではロブスター(Lobster)と呼ばれ、大きなハサミがハンマーのように見えることからこの名前でよばれています。日本で人気の伊勢海老はフランス語でラングーストと呼ばれ区別されてます。ハサミのないのが伊勢海老ですが、どちらもザリガニの仲間です。
オマール海老は北東大西洋、地中海、北欧ノルウェー近辺、南アフリカ地域と広範囲に生息しており、地域によって色に違いが見られます。色は生息する岩場に含まれる成分に関係します。オマール海老は獰猛で仲間同士傷つけあうこともあり、水揚げされたらすぐにハサミをゴムバンドで固定します。
カナダなどからの輸入品を日本で通販で入手できます。もちろん活きたオマールもクリスマス時期はナショナル麻布などで入手できますが、今回は冷凍品を使用しました。思ったより安くて美味しくできました。
アメリケーヌソースのストーリー、なぜアメリカ?
アメリケーヌソース(アメリカンソース)と呼ばれているのでアメリカで生まれたソースだと勝手に思っていました。
アメリケーヌソースはピエールフレス氏(Pierre Fraisse)というフランス人シェフが発案したフランスのソースです。
1850年代にアメリカ合衆国のシカゴのレストランで働いたことのあるピエールフレス氏が、パリの「ピーターズ」(Peter’s)というアメリカっぽい名前のレストランを経営していました。美食家たちが集うフレンチレストランでした。
ある夜閉店間際にアメリカ人観光客がレストランに来店しました。翌日使う予定のオマール海老以外ほとんど材料がなく、オマール海老を即興で料理し提供しました。
この時のピエールフレス氏の料理が好評で、料理の名前を問われて、とっさに答えた名前が「オマール海老のアメリカ風」。お客様は大喜びで、以来この料理は「ピーターズ」の定番メニューになりました。
この料理のソースがアメリケーヌソース(アメリカ風のソース)と呼ばれるようになりました。
オマール海老を煮込んで、うま味が詰まった濃厚なオレンジ色のソースです。今ではフランス料理には欠かせないソースの一つとなっています。もちろん海老でつくってもアメリケーヌソースと呼びます。
オマール海老に合わせるワイン
濃厚なアメリケーヌソースにはオイリー、バタリーを感じるムルソーやモンラシェがおすすめです。また、グラタン風にテルミドールにした場合も同様にコートドボーヌの白がおすすめです。
オマール海老のアメリケーヌソース、クリスマスなので今回は華やかにシャンパーニュを合わせてみました。濃厚なソースがとにかく美味しい。オマール海老のビスク(ミソの入ったスープ)も別で添えました。

余談ですが、先日伊豆の漁港で購入した伊勢海老はテルミドールにしました。活きた伊勢海老で、キッチンで元気に動き回り、調理に苦労しました。ワインはルペショーレのブルゴーニュシャルドネ。フレッシュな辛口で伊勢海老に合いましたが、もう少し深みのあるワインにすればよかったと思いました。伊勢海老はひげが美しい。ソースベシャメルにミソを混ぜて濃厚でした。

当社輸入販売のムルソー
まとめ
見た目が華やかで、見栄えが良いので、特別な日のディナーやお祝いの席にはぴったりです。案外調理は簡単なので、材料さえ入手できればおすすめです。オマール海老はハサミのところの殻が硬いので、殻を割るのに苦労しました。ミソはオマール海老のほうが多かった。いただくときは、とても幸せな気分になります。贅沢なムルソーはぴったりですね。
素敵な盛り付け、銀座イタリアン IL PINOLO

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