南半球の有名ワイン産地、ニュージーランドワインについて。輸出を意識し、世界の消費国の動向をよく観察、努力する小規模生産者が多く、質の高いワインもがたくさんあります。収穫は南半球の秋にあたる3月~4月。そのため日本の秋ごろにはその年のヴィンテージが出荷されることもあります。
ニュージーランドの気候
歴史も浅く生産量はさほど多くはありませんが、近年世界的に非常に評価が高いのがニュージーランドワイン。世界で最も新しいワイン産地でありながら、短期間にこれだけの高い評価が得られる産地は注目に値します。
人の数より羊の数の方が多い、わずか400万人の国です。一番の特徴はニューワールドの中では南に位置しているため冷涼な気候に恵まれ、酸味を伴うエレガントな味わいです。最近の「エレガントなワインブーム」もあり注目されています。南緯35度~46度に位置し、周囲を海に囲まれた海洋性気候で、南半球では冷涼な気候で酸味が失われません。
ニュージーランドワインのぶどう品種
ぶどう生産量の72%がソービニヨンブランです。大量生産の巨大ワイナリーは少なく、小規模なブティックワイナリーが多くあります。ワイナリーは約700軒ほどあります。
若草のような爽やかな香りとグレープフルーツやパッションフルーツのような豊かな果実味が刺激的な白ワイン。
世界的に評価が高いのがピノノワールです。昼夜の温度差が激しい大陸性気候で(NZで唯一)、水はけのよい石灰土壌で最も標高が高い。昼夜の寒暖の差によりぶどうを完熟させ、果実味たっぷりのワインができます。
ニュージーランドワインでもう一つ特徴としてスクリューキャップの使用率が99%近く。総生産の80%が輸出です。
ニュージーランドのワイン産地
北島で有名なワイン産地
ノースランド(Northland) : NZぶどう栽培の発祥の地、亜熱帯の気候、土壌は粘土質
オークランド(Auckland) : 主に粘土質、ボルドータイプの赤ワインを生産
ワイカト/ベイオブプレンティ(Wikato/Bay of Plenty) : 甘口の貴腐ワインを生産
ギズボーン(Gisborne) : シャルドネの生産地
ホークスベイ(Hawkes Bay) : 国内最古のワイナリーがある
南島で有名なワイン産地
ワイララバ(Wairarapa):地質調査により築かれたピノノワールの生産、日本人の楠田浩之さんのワイナリーもある
マールボロ(Marlborough):NZ最大のワイン産地、ソービニヨンブランの生産
ネルソン(Nelson) : マールボロより温暖で南極からの冷たい風の影響を受けない
カンタベリー(Canterbury) : ピノノワールや瓶内二次発酵のスパークリングワインの生産
セントラル オタゴ(Central Otago) : 世界最南端のワイン産地、質の高いピノノワールの生産、ワナカ湖周辺
評価の高いニュージーランドの有名ワイン生産者
ソービニヨンブラン
マールボロ、ニュージーランドを代表するワイナリー Cloudy Bay (クラウディベイ):高品質を保つトツプワイナリー、ニュージーランドのソーヴィニヨンブランを確立したワイナリー
ニュージーランドのソービニヨンブランは2種類
スタンダード : ステンレスタンクで発酵させたフレッシュなタイプ
テココ : 天然酵母のみで、樽で発酵と熟成を行ったふくよかなタイプ、複雑さを与えるためにシュール リーで18カ月熟成も行う
「シュール リー(Sur Lie)技法」:フランス、ロワール ナント地域で古くから行われてきたワイン造りの伝統製法、白ワインの発酵ごのタンクに沈殿する澱(おり)を澱引きせずに低温で澱とワインを接触させておく方法。澱からアミノ酸などのうまみが溶けだし、ワインは香り高く、コクを持つようになります。発酵中に生じた二酸化炭素がワインにフレッシュ感を与え、ワインの参加を防ぎ新鮮さを保ちます。
ピノノワール
セントラル オタゴ のピノノワールがコンクールで高い評価をえたことから、ピノノワールの一大産地となりました
Rippon Vineyard & Winery(リッポン ヴィンヤード & ワイナリー)、テロワールに恵まれたワナカ湖のパイオニア。DRCで学んだビオディナミを導入。
まとめ
後発でありながら、短期間に高評価を得たワイン産地はニュージーランド以外ではないくらい、注目されています。テイスティングしてみると質の高さがわかりました。有名な生産者は価格もニューワールドとは思えなく高価でした。そしてニュージーランドワインの輸出は20年以上連続で増加しています。今後も期待できるワイン産地です。
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