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タラバガニは「かに」じゃない?
かにの王様「タラバガニ」は「かに」に似ていますが、実はヤドカリの仲間であることから、カニミソはほとんど入っていません。つまり名前は「かに」ですが、かにではありません。タラバの名前は「タラの漁場」から来ています。
鮮度を保つためボイル前に内蔵は洗い流してあります。北海道以北の寒い海域、主にオホーツク海に生息しています。日本では水揚げは北海道のみで、旬は冬です。足が太く長いのが特徴で、食べ応えがあります。この時期は深海にいて、餌をたくさん食べているので、実がぎっしりと詰まっています。
ヤドカリの仲間である「タラバガニ」は5組目の脚は極端に小さく、甲羅に隠れていて、ハサミを合わせて脚が片側4組しかないように見えます。一番美味しい大きな脚は左右合わせて6本だけ。隠れている5番目のちっちゃな脚はエラの掃除します。5番目の脚はほとんど食べるところはありません。
また「かに」と異なりヤドカリの仲間であることから、縦向きに移動することができます。
小林多喜二著の「蟹工船」では、大正時代、タラバガニの缶詰を船上で作るカニ漁の過酷さが描かれましたが、そのころはタラバガニも豊富に生息していました。
乱獲により今は生息数が激減しており、価格は10年で2倍になりました。一方、海外も含め需要は年々増えています。贅沢品となりました。今日本で売られているタラバガニもほとんどがロシアか中国産とのことです。
タラバガニの素材の味をシンプルにそのままで、辛口白ワインを合わせて
故郷の「札幌二条市場」から冷凍していない珍しいボイルだけの「かにの王様タラバガニ」が届き、早速シャッサーニュ モンラッシェ 1級を合わせていただきました。
届いたタラバガニは脱皮直後で殻が柔らかく, ハサミで簡単に開くことができました。食べやすく、濃厚な味、プリプリの食感の身は冷凍では味わえない美味しさでした。冷凍するとどうしても解凍するときにうまみが一緒に水分として出てしまいます。
過去に何度も冷凍を食べたので、比較すると、うまみの濃さが異なりました。通常では冷凍しか入手できないところ、めずらしいボイルの1尾の「かに」は家族でアッという間になくなってしまいました。海水の塩分が程よく、ソースは不要、少しだけレモンをかけていただきました。「かに」の素材をシンプルにそのままで辛口白ワインを合わせてみました。
最後の締めに「かに」の食べ終わった殻を土鍋で炊いてダシをとり、お味噌汁にして、ごはんと一緒にいただきました。
冬のこの時期、贅沢に「かに」が食べたくなります。真っ赤なタラバガニは見た目にもとても縁起がよさそうで、幸せな気分になります。
札幌二条市場のタラバガニ売り場
2016年ヴィンテージとは思えないほど、ほどよく熟成したシャサーニュ・ モンラッシェ 1級 ”Morgeot”
濃厚な「かに」の味に負けない白ワイン、シャサーニュ モンラッシェ 1級”Morgeot”は 2016年ヴィンテージとは思えないほど、ほどよく熟成していました。バタリーな香り、最後はスパイシーな香りと、どんどん香りが変わり、長く複雑な香りが持続しました。「かに」とともにゆっくりと時間をかけて味わうことができました。もちろんAOC1級でまだまだ5年くらいは熟成可能だと思います。
せっかくの「かにの王様タラバガニ」なので、このくらいのグレードの辛口白ワインがぴったりでした。冷やしすぎずにいただくのがポイントです。
まとめ
よい食材が入手できた時は、迷わずよいワインを合わせます。最高のマリアージュになり一生の思い出になります。
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