ブルゴーニュでもコートドールが神の恩恵の地とすれば、その中で最も神の恵みが厚かった村が「ヴォーヌロマネ」(Vosne-Romanee)と言えます。
ヴォーヌロマネ村の傑出した6つの特級畑
ヴォーヌロマネ村には傑出した6つの特級畑があり、しかもそれがコンパクトにかたまっています。土壌、日照条件、気温と全ての要素がブドウ栽培にとってこれ以上ないという恵まれた条件を備えていて、完璧なテロワールから「神に愛される村」とも言われています。
同じように特級が複数ある村でもここまでかたまって存在するのはヴォーヌロマネの特徴でもあります。しかもひとかたまりになったグランクリュ畑生まれのワインが、それぞれのクリマによって鮮やかな違いをみせます。まさにブルゴーニュにおけるテロワールの重要性を理解する絶好の地と言えます。どれも非常に高価で入手が難しいものばかりです。
ぶどう畑は東南向きのなだらかな斜面(標高230~300m)に広がっていて、絶好の位置には特級畑や1級畑が、その上か下に村名畑があります。ヴォーヌ村の北側にある「フラジェエシェゾー」村のワインは特級以外はヴォーヌロマネAOCとして売り出されるため、ヴォーヌの一部と考えられています。赤ワインのみ、2村合計で特級が42ha, 一級が56ha,村名が97ha.
土壌は粘土が混ざった泥灰土と石灰岩からなります。この粘土質と石灰質のバランスにより、力強さとエレガンスの両方を兼ね備えたワインが生み出されます。
ヴォーヌロマネ村の特級畑
ロマネコンティ (Romanee-Conti) :芳醇にして繊細な世界最高級のワイン。6つの特級畑の中央に位置するDRCの単独所有畑。
ラターシュ (La Tache) : DRCの単独所有畑。比較的暖かく、逞しい構造を備えた長期熟成向きのワインが生まれる。
リシュブール (Richebourg) :石灰岩と粘土鉱物が多く含まれる土壌。濃密で複雑なアロマが魅力のゴージャスなスタイル。
ロマネサンヴィヴァン (Romanee-Saint-Vivant) :標高が低く、白亜が豊富な土壌由来の、フローラルな香りと綿密な酸が特徴の上品なスタイル。
ラロマネ (La Romanee) :ミネラリーで引き締まった味わいを生み出すフランス最小のAOC。リジェ・ベレールの単独所有畑。
ラグランドリュ (La Grande Rue) :ロマネ・コンティとラ・ターシュに挟まれた「偉大な道」。ドメーヌ・ラマルシュの単独所有畑。
フラジェエシェゾー村の特級
グランエシェゾー (Grand-Echezeaux) :粘土質土壌由来の太く力強い、リッチな味わいが特徴。黒系果実主体の甘い香りも印象的。
エシェゾー (Echezeaux) :様々な斜面の向き、標高、傾斜、土壌から成る特級畑。生産者と区画によって個性が大きく異なる。
プルミエクリュ(1級)は14の畑があります。
DRC社はその中の4つの特級畑を所有
この神の恵みが最も厚かった村の特級を一番多く所有しているのが、DRC社で、特にロマネコンティとラターシュはモノポールであり、DRC社が単独所有しています。ブルゴーニュでも単独所有が多いのがヴォーヌロマネの特徴でもあります。
ブルゴーニュは同じ畑でも複数の所有者がある場合がほとんどで、生産者によって同じ畑でも異なる味わいになります。例えばジュヴレシャンベルタン村にある9つの特級には20を超す所有者に区分所有されており、同じシャンベルタンのクリマでも作りてが違うと異なるワインになります。この辺がシャトー単位で所有するボルドーとの大きな違いです。
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ヴォーヌロマネ、味わいの特徴
ヴォーヌロマネは、近隣の村が持っている長所を全て絶妙なバランスで持ち合わせている点です。ジュヴレシャンベルタンの力強さとシャンボールミュジニのエレガントさの両方をバランスよく持っています。
ビロードの様な舌触りと品のある口当たりで、程よいタンニンと酸、格調高いピノ・ノワールの真髄が感じられます。若いうちからバランスが良く、長期熟成を経ることでシルキーなタンニンがきめ細かく溶け込み、優雅さと気品が増し、コクのある官能的なワインに仕上がります。飲み頃に入るまで5年はかかり、15年近い熟成に耐えられます
スパイスを基調に、イチゴやキイチゴにカシスなどの熟した果実香が加わる。複雑で洗練されたアロマが溶け合い、熟成とともに煮詰めた果実やなめし革などの香りが現れる。
当社輸入販売のヴォーヌロマネ1級
ヴォーヌロマネの始まりと名前の由来
ヴォーヌ(Vosne)はガリア語で「森」が語源で、ロマネ(Romanee)はラテン語のRomanus=ローマ人から来ています。
890年頃に創設されたクリュニー派のサンヴィヴァン修道院が一帯を所有していました。一方フランジェエシェゾー一帯のクリマはシトー派修道僧が12世紀に開墾されたといわれています。17世紀、コンティ公が取得したクリマが「ロマネコンティ」と改称された頃からヴォーヌロマネのワインは評判を呼ぶようにになりました。18世紀にはヴォーヌには平凡なワインなどありはしないといわれ、その名声は21世紀になってもいまだ不動の地位にあります。
まとめ
特級はなかなか手が出ないほど高価ですが、村名や一級であれば比較的手の届く価格で入手できます。せっかくなのでぜひ一級を味わいたいですね。
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