人気のムルソーについて。他の白ワインとは明らかに異なり,一度は飲んでみたいワインのご紹介。
目次
世界的に人気のあるシャルドネ種の辛口白ワイン、ムルソー
ムルソー(Meursault)は世界的に人気のあるシャルドネ種の辛口白ワインです。10年ほど前に美味しいムルソーに出会ってから白ワインの素晴らしさに引き込まれ、大好きになりました。
初めて飲んだ時に赤にも負けない強い個性に白ワインとは信じられないと、ショックを受けたことを覚えています。
正直それまでは白ワインにはあまり興味がなく、もっぱら赤ワイン派でした。世の中にこんなに美味しい白ワインがあるなんて!
その後、ブルゴーニュワインを知れば知るほど白ワインの良さがわかってきて、赤同様、白が好きになりました。
特徴は官能的な香りで、穏やかな酸がワインに溶け込んでいるようなワインで、他のワインとは明らかに異なります。
3大ムルソー、最も贅沢なムルソー1級
ムルソーはコート ド ボーヌにあり、グラン クリュはありませんが、プルミエ クリュが30もあり、全体的に洗練されていて、レベルの高いワインが多くあります。ぶどう畑は3エリア、それぞれ異なる土壌です。土壌の特徴として熟成が早いので30年以上熟成するグランクリュはなく、1級のみです。
その中でも3大ムルソーは最も贅沢なムルソーであり、個性も強いので、この3つを飲み比べることは人生の歓びの一つともいわれています。
3大ムルソー
レ ぺリエール(Les Perrieres) ミネラルが強くリッチでエレガント、最も晩熟でグラン・クリュのモンラッシェに似ています。トップといわれています。
レ ジュヌヴリエール(Les Genevrieres) 典型的なムルソ―、肉付きの良い豪勢な果実味、ナッティでバタリーという言葉がぴったりです。
レ シャルム(Les Charmes) チャーミングな優しいタイプのワイン。フルーティで肉厚なワイン。ムルソーらしいムルソーといわれています。
ムルソーは淡い緑がかった黄金色、アルコール度も高く、ナッツの風味を持ちまろやかな味わいの白ワイン、保存にも耐える名醸ワインです。
3つのぶどう畑エリア
北のヴォルネ川の丘陵: 泥灰土
中央部分の扇状地 :粘土石灰岩の崩積層
南側のピュリニ村につ続く丘陵:「コート デ ブラン」(白ワインの丘)と呼ばれる最高級の白ワインを生む斜面
ブルゴーニュの白ワインでもう一つ有名な「ピュリニ モンラッシェ」は隣の村で、隣に比べると石灰岩を覆う表土が厚いため、粘土の比率が高く、ボリュームのある肉厚でコクのあるワインになります。ムルソーは酸味がピュリニよりも穏やかなので、熟成が進むのが早く、ナッツやバターのフレーバーが早い時期から豊かに現れます。コートドボーヌの白ワイン好きな方にはムルソー派とモンラシェ派がいるくらい、異なるワインです。是非飲み比べてみてください。
ムルソー村とサン二コラ教会、ぶどう畑
当社輸入販売のレシャルム
合わせて読みたい記事
1997年と1998年のムルソープルミエ クリュ レ シャルム
通っているワインスクールにてテイスティングでいただいたムルソーは見事なゴールド色、ナッツやバターの香りとテイストで、とても贅沢で幸せな気持ちになりました。(Meursault 1er Cru Les Charmes)
1年しか違いませんでしたが、1998年は飲み頃、1997年はもう少し熟成させてもよいまだ若さのあるワインでした。ワインの飲み頃は保管状況や醸造方法、その年のぶどうの出来栄えにより異なります。飲み頃が違うところがブルゴーニュワインの面白いところです。
合わせて読みたい記事
カサゴの姿揚げにムルソーを合わせて
当社が輸入販売しているムルソーです、2015年飲み頃です
まとめ
成人式のお祝いに1月に20年前のヴィンテージのワインの需要があるとのことで、毎年1月に20年もののブルゴーニュのワインが輸入されるそうです。そのためワインスクールのテイスティングが実現しました。バースデーワインといわれ、生まれ年に造られたワインを成人式の時にお祝いとして飲む方のはとても素敵ですね。フランスの習慣です。
我が家も息子が二人いますが、生まれた時に生まれ年のワインをそれぞれ何本か購入し、ワインセラーで大事に保管しています。長男は成人のお祝いの際に1本開けて家族でいただきました。
ムルソーというと「アルベール・カミュ」の「異邦人」(l’etranger)に出てくる主人公の名前を思い出します。実はカミュはこの辛口白ワイン ムルソーが好きで主人公の名前を「ムルソー」にしたと言われています。
合わせて読みたい記事
コメントを残す