シャブリの特級畑「ブランショ」を訪ねて、キンメリジャン土壌とその魅力

Chablis-Blanchot

シャブリ特級の美味しさに感動し、特級畑を訪ねました。

7つのグランクリュはスラン川の右岸の斜面に集中

シャブリ地区のわずか2%に当たる約100haの7つの特級畑(グランクリュ)が1つの斜面にあります。シャブリの街は真ん中にスラン川が流れ、川を隔てて右岸と左岸に分かれます。右岸にある特級畑の斜面は南南西を向き、日当たりがよく、傾斜も強く(約40度)、風通しが良いため霜のリスクも少ないのが特徴です。とても繊細で力強い、複雑なワインを生む畑です。

7つの特級畑

ブランショ Blanchot
ブーグ Bougros
グルヌイユ Grenouilles
レ クロ Les Clos
プリューズ Preuses
ヴァルミュール Valmur
ヴォーデジール Vaudesir

1級(プルミエクリュ)については、スラン川両岸の谷が形成する斜面のうち、日当たりの良い南東から南西向きの右岸と左岸の両方に広がっています。スラン川右岸はグランクリュに近く、硬く男性的なワインを、左岸は柔らかく女性的なワインができます。1級は40のクリマがあります。(右岸が16, 左岸が24)

シャブリの7つの特級畑が集まる斜面

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キンメリジャンとポートランディアン土壌

シャブリ地区一帯には砂やシルトが含まれるポートランディアン土壌があり、その上にキンメリジャン土壌が重なっているところとないところがあります。

キンメリジャン土壌は他のワイン産地と異なるシャブリの特徴で知られています。ジュラ紀後期、1億5千年前の石灰と粘土の混ざった泥灰土で、その中に小さなイボタ牡蠣の化石が含まれています。そのためシャブリと牡蠣は相性がよいといわれています。シャブリの1級と特級AOCはこのキンメリジャン土壌から生まれた白ワインのみと定められています。

その後、ポートランディアン土壌についてもシャブリ一級AOCを名乗れると範囲が拡大し、1級畑が急激に増えました。シャブリ地区では1級畑の拡大に反対する生産者と拡大賛成派の2つの組織があり、長年対立しています。

つまりこのシャブリの美味しさの秘密は、キンメリジャン土壌で、きれいな酸と塩味のあるミネラル感をワインにもたらすカギになっています。

上の白い方がキンメリジャン土壌、少し茶色い方がポートランディアン土壌。特級畑は2層になっており、キンメリジャン土壌の下にポートランディアン土壌があります。

ドメーヌ ロンデパキと醸造所

アルベールビショー社が所有するシャブリのドメーヌ ロンデパキ(Domaine Long-Depaquit)の醸造所を見学しました。

1791年創業のドメーヌ ロンデパキは中世からブドウ栽培を発展させたシトー派のポンティニー修道院が所有していた伝統ある畑をフランス革命後に受け継いだ、シャブリの名門ドメーヌです。1972年にアルベールビショー社の傘下となりました。特級モノポール「ムトンヌ」2.35ha区画を所有しています。

醸造所は美しいシャトー ロンデパキの敷地内(向かって左)にあり、近年老朽化した醸造所を大幅に改築し、清潔で近代的なタンクや機械をいれました。ステンレスのタンクはピカピカでした。

この醸造所でアルベールビショー社の複数のドメーヌのシャブリの醸造を行っています。(ロンデパキの他、ルペショーレのシャブリ含む)

 

シャブリの樽の使用

シャブリでは生産者によって樽の使用が異なります。発酵そのものから樽で行う生産者や、一切樽の使用を拒否して発酵から熟成までステンレスタンクで行う生産者もいます。発酵はステンレスタンクで熟成は樽という折衷派もいます。樽を使うとシャブリ本体の性質を失うという考えと、樽を使ってこそワインは風味豊かになるという考えが存在します。両派いずれも優れたワインを出しているので、どちらがよいとは言えません。

アルベールビショー社のシャブリの醸造責任者は同社初めての女性醸造家, セシリア トリマイユ氏。若くてこんなに可愛らしいのにシャブリの醸造責任者とは驚きと同時に親しみを感じました。子供の頃からワインへの情熱を持ち続け、専門の大学で学んだ後、他社で醸造の経験を経て、2年前に同社の責任者になったとのことです。ブルゴーニュでは最近女性の醸造家が増えています。

セシリアの説明では、村名クラスは発酵から熟成まですべてステンレスタンク、1級と特級のみ熟成に樽を使っているとのことです。一級と特級は樽の使用率10~35%。テロワールからのストラクチャーが違うので、畑により樽の割合を変えています。樽はあまり関係ないと言っていました。

ブドウの収穫はすべて手摘みで機械の使用はなし。収穫と圧搾の時はロンデパキの醸造所の前の庭に搬入口から長いテントが張られ、作業します。

アルベールビショー社、シャブリの醸造責任者セシリア トリマイユ氏

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シャブリ7種のテイステイング

こんな贅沢なテイステイングの機会に恵まれました。最初に村名、その後1級を3種、特級を3種。

Chablis Domaine de Viviers, 右岸の南東, 村名でありながらViviersで収穫したブドウのみを使用

Chablis 1er cru Les Lys, Domaine Long Depaquit 2018, 左岸, ステンレスタンクのみ、酸を強く感じました
Chablis 1er cru Les Vaillons, Loupe Cholet 2018, 左岸, 2~5年使用した古樽を10%使用
Chablis 1er cru Les Vaucopins, Lupe Cholet 2018, 右岸の南東、樽の使用率15%,  少し塩味とミネラル感を強く感じましたキンメリジャン土壌の割合が多い、1級の中では一番好きです

Chablis Grand cru Les Blanchots, Lupe CHolet 2017, 南東端, 個人的には一番複雑さを感じ、白いお花の香り、好みです
Chablis Grand cru Les Vaudesirs, Domaine Long Depaquit 2017, 南西の高台, 少し酸味を強く感じました
Chablis Grand Cru Les Clos, Domaine Long Depaquit 2017、南東、一番広く評価が高い特級、酸味とミネラル感のバランスの良さはさすがです

 

辛口白ワイン シャブリ 1級、シャトー・ドゥ・ヴィヴィエール Vaucopins (ヴォーコパン)

まとめ

シャブリの特級はムルソーの村名と同じくらいの価格で購入できると考えるととてもお得に感じます。ブルゴーニュの特級は量も少なく、年々価格が高騰しています。お味はさすが特級です。初めて飲んだ時にその違いに感動しました。これがシャブリの本当の魅力

特に「ブランショ」は特級の中でも一番格が上といわれている「レ クロ」の隣に位置し、ほんの少しだけ東を向いた斜面にあるため、朝の太陽の光をたっぷりと浴びることができます。個人的には繊細さや複雑さなど一番お気に入りです。

帰りの車の中から麦畑をたくさん見かけました。石灰の土壌でないところはワインはつくらないときっぱり。作ればできるけれど、美味しいワインはできないからと、あくまでクリマに基づいた質の追求をしているところになるほどと納得しました。

シャブリと言えばひと昔前はコピー品がカリフォルニアなど世界中で出回り、その後このシャブリ地区以外は「シャブリ」という名前を使えなくなりました。シャブリという名前を付ければ売れるけれど、その名前をしっかりと守っていると思いました。

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