ブルゴーニュのAOCは畑により決められています。隣の畑でも一級と特級と異なることがあるくらいです。ブルゴーニュワイン好きの方で畑をもっと詳しく知りたい方へ。
ブルゴーニュ地方のぶどう畑の詳細地図の本
ブルゴーニュの醸造家がバイブルのように使っていた本を紹介します。日本語版も販売されていて、2016年に待望の改定最新版が出ました。
ボーヌの書店では10カ国ほどの様々な国の言葉に訳された「地図でみるブルゴーニュワイン」(原題 Climats et Lieux-dits des grands vignobles de Bourgogne) -「 ブルゴーニュの偉大なぶどう畑のクリマとリュー・ディ」 が並んでいました。
ブルゴーニュ全域のAOCについての詳細と「クリマ(区画)」の地図詳細が書かれています。地図はカラーでAOCごとに色分けされており、わかりやすくなっています。日本語版は比較的小さなペーパーバックです。地図だけでなく、気候や特徴などまさにブルゴーニュワインの教本、入門書ともいえる本です。
ボーヌの書店に並ぶ日本語の「地図で見るブルゴーニュワイン」左下
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地図の楽しみ方
例えば村名クラスでも畑の名前がラベルにあると、地図からぶどう畑の場所を特定することができます。更に一級畑の近くまたは隣であるなども確認出来て、お得なワインということもわかります。1級と特級はもちろん畑が特定されており、地図で探すことができます。
村名のワインで畑の名前がない場合は同じ村名の複数の畑のブレンドです。村名クラスでラベルに畑の名前があるものは、畑が特定されているもののみ明記することができます。村名でも畑名が入っているのは少し格が上です。
地図を見る時の注意事項として、方角を確認することです。同じ村でも北にあるのか南にあるのかでも変わりますし、もちろん東なのか西なのかでも変わってきます。
特に南北に長いジュヴレシャンベルタン村やニュイサンジョルジュ村、東西に長いサヴィニーレボーヌなどは同じ村名ワインでもかなり異なる個性を持ちます。
また等高線も重要な要素です。等高線によってその畑がどちらに向いているか、また斜面の角度もおおよその想像がつきます。グランクリュやプルミエクリュは土壌や斜度だけでなくその標高も重要な目安となります。
コートドールを南北に走る県道D974号線(旧国道74号線)は斜面と平地を分ける目安になっています。通常斜面側は村名クラス以上、平地は村名以下のクラスのワインとなります。ただし例外がいくつかあり、ジュヴレシャンベルタン村、モレサンドニ村、ショレレボーヌでは村名ワインが国道を超えた畑でも生産されています。ニュイサンジョルジュでは平地でプルミエクリュも生産されています。
「地図でみるブルゴーニュワイン」では特級(グランクリュ)33の畑、一級(プルミエクリュ)の640の畑の地図も含め、カラーで見られます。
ブルゴーニュワイン好きなら1冊手元に置きたい本ですね。地図を見ながら、次に飲みたいワインを探してみてはいかがでしょうか?
その他、ブルゴーニュワインについての様々な説明が書かれています。
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ブルゴーニュ地方は5つの地区に分かれていて広域
北はシャブリから南はボジョレーまで約230Kmにわたって広がるぶどう畑(約28,000 ha 以上)、ブルゴーニュ地方ではフランスのワイン生産量のたった3%, 約2億本のワインを生産しています。
一番南にあるボジョレー地区についてはブルゴーニュワインに属するかどうかで問われてきました。
歴史的にはボジョレーはリヨン地区の一部とされてきました。しかしマコネ地区から繋がっている土地であること。ボジョレーのワインはマコネ地区やコート・ドールのネゴシアン(ワイン商)により販売されていたという伝統があります。また、ボジョレーで使用しているぶどう種「ガメイ種」は中世の頃コート・ドールで植えられていたことがあります。その後「ガメイ禁止令」により今の「ピノ・ノワール」に統一されました。
また、ワイン自体に大きな差があるために、マーケティング的には異なる戦略をとっています。ブルゴーニュワイン委員会(BIVB)とは別にインターボジョレー(Inter Beaujolais)という組織があります。組織も異なることから、様々な統計ではボジョレーを除く数字で語られることが多くあります。
まとめ
ぶどう畑の場所がわかると、特級の隣の一級の畑や、有名なモンラシェ村の隣の村などお得に入手できるワインを見つけることができます。ワインセラーにあるワインも地図から畑の場所を探してみると、期待が高まり、飲むのが楽しみになります。こんな贅沢なワインの楽しみ方はブルゴーニュワインだけですね。
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