ワインに合わせるチーズ、フランスのチーズは数えきれないほど、1村に1種

cheese-fromage-フランスチーズ

数えきれないくらい種類の多いフランスのチーズ

昨年フランスのシャブリに行った時に、レストランでメインディッシュの後にチーズ(フロマージュ Fromages)を頼むとこんなにたくさんの種類のチーズが出てきました。ワゴンに40種類くらいあります。日本では乳製品、特にチーズはとても高価なので、思わず全種類味見してみたくなります。

フランスには1つの村に1種のチーズがあり、地方色豊かなチーズが造られています。1,000種類以上ともいわれています。

チーズの大分類、ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い

 

ナチュラルチーズ :ミルクからそのまま作ったチーズ、チーズの中に乳酸菌やカビ菌が生きていて、その働きでチーズが熟成されます

プロセスチーズ :ナチュラルチーズを加工して作ったチーズ、高温にかけて殺菌されるため、熟成はその時点でストップします。味が安定し、より長く保存できます。

プロセスチーズは主に日本やアメリカで消費されていて、昔ヨーロッパからチーズが紹介された際に長期保存できるように広い国土のアメリカで流通できるように工夫して加工されたものです。フランスではチーズはナチュラルチーズを指します。

最近はデンマークや日本製のチーズで、ナチュラルチーズを出荷前に高温殺菌して熟成を止めて、味を安定させて、長期保存できるようにして販売しているのをよくスーパーで見かけます。(包装後加熱済と記載されていて、消費期限は冷蔵で約6か月とあります)プロセスチーズに近いですが、味は少しナチュラルチーズに似せています。

ナチュラルチーズの個性と美味しさはプロセスチーズとは比較にはならなく、種類の豊富さと熟成のおいしさを楽しむナチュラルチーズはワインによく合います

6種のナチュラルチーズ

フレッシュ(フロマージュ・フレ Les fromages frais) :熟成させないでつくる軟質タイプのチーズ、くせがなくほのかな酸味があり,新鮮なミルクの香りのあっさりとした食感が特徴です。 (クリームチーズ、モッツァレラ、カッテージ、マスカルポーネなど)水分が一番多いタイプです。

シェーブル(フロマージュ・ド・シェーブル Les fromages de Chevre) :やぎ乳で造った独特の香りと酸味のチーズ、熟成が進むとコクが出てきます(ヴァランセ、クロタン・ド・シャビニョーなど)フレッシュなものから熟成させたものまであります。



白カビ
(パット・モール・ア・クルート・フルリ pâte mole à croûte fleurie): 表面に白カビを育成させ、白カビのたんぱく質分解酵素などを利用して熟成させるタイプ。白カビで覆われたクリーミーなチーズ、世界中で人気があります (カマンベール、ブリーなど)若いうちはクリーミー、熟成に伴い風味を増し、組織がトロリと溶けて流れるほど柔らかくなり、深い味わいとなります。



ウォッシュ 
(パット・モール・ア・クルート・ラベ pâtes molles à croûte lavée) : 表面にリネンス菌を付けて熟成させるタイプ。熟成させるときに塩水、白ワインや地酒などで何度も表面を洗います、表面は独特な香り、中身はコクがありクリーミーです (エポワス、モンドールなど)表面がほんのりオレンジ色です。表皮にはくせの強い香りがありますが、中身は穏やかでクリーミーな味です。熟成は数週間から一か月。



ハード・セミハード
(フォロマージュ・ア・パット・プレセ Les fromages a pate pressee) : 内部を細菌熟成させるタイプ。水分を多く抜いて保存性を高め、長期熟成させた硬質タイプのチーズ (ゴーダ、パルミジャーノ、ミモレットなど)セミハードで3~6か月、ハードで6か月以上 長く熟成させるほど水分が少なく、ハードになります。



青カビ
(フロマージュ・ア・パット・ペルシエ Les fromages a pate persillee) : 内部をカビ熟成させるタイプ。青カビが広がった個性の強いチーズ、やや塩分強めが多く(ロックフォール、ゴルゴンゾーラなど)独特の香りと舌を指す刺激的な風味,塩味があります。青カビ以外の雑菌の生育を抑えるため塩分を強めにします。青カビを混ぜて成形し、青カビを繁殖させるためにチーズに針で穴をあけて酸素を供給します。

個人的にはちっと個性の強いウオッシュを白ワインで、人気の白カビを赤ワインに合わせて、バゲット(フランスパン)と一緒にいただくのが好きです。青カビやハード、フレッシュはお料理に活躍します。

内側と外側で味が異なるナチュラルチーズの切り分け方

 

ナチュラルチーズの切り分け方はチーズの外側と内側が一切れに入るように切ります。ケーキタイプや四角いタイプのもの、ビラミッドタイプのものは真ん中から外側に向けて切ります。筒状のタイプは輪切りにします。ナチュラルチーズは内側と外側で味が異なるためにこのような切り方をします。

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チーズには牛乳の10倍の栄養分、カルシウムが豊富

チーズにはほかの食品より吸収率がよいカルシウムが豊富に含まれています。牛乳の栄養分を10倍に凝縮したものがチーズといえます。

フランスでは若い世代のチーズ離れが激しいようです。健康志向の中、カロリーが高いと敬遠されていることと。(特に若い女性はチーズをあまり食べないようです。)食事の簡素化のトレンドがフランスにもあります。一方で伝統的なフランスの食文化はぜひ継承してほしいと思います。

 

同じ地方のチーズとワインを黙って合わせるのが基本

ワインもチーズもかなりの種類があるフランス産同士を組み合わせる時は、風味の相性など細かいことは気にせずに、同じ地方のチーズとワインを合わせるのが基本です。フランスには各地に文化として根付いているワインとチーズがあり、土地の人たちは、何百年も昔からその組み合わせを楽しんできました。

ロワール地方のヤギのチーズにはロワール産のソーヴィニヨンブラン。ブルゴーニュ地方のエポワスにはブルゴーニュ産のピノノワールがぴったりです。例外はカマンベールなどの白カビタイプで、産地である北西フランスでは気候が冷涼過ぎてワインを生産していません。地元ではリンゴから造るシードルと合わせます。ワインならボジョレーなどガメイ種が合います。

ブルゴーニュ地方のチーズ

1村1種といわれるくらいですから、それぞれの土地に異なるチーズがあり、チーズとワインの産地を同じにすると相性が良いと言われています。
ブルゴーニュワインに合わせる、ブルゴーニュのチーズをいくつか紹介いたします。

エポワス・ド・ブルゴーニュ(AOC) 牛乳製、ウオッシュ、白ワインシャブリで洗って仕上げるといわれています。エポワスは村名
アフィデリス(Affidelice) 牛乳製、ウオッシュ、エポワス同様白ワインシャブリで洗って仕上げるといわれています、エポワスの姉妹品
ヴェズレー 山羊乳製、シェーブル ヴェズレーは村名、ドーム型のチーズ
アベイ・ド・シトー 牛乳製、ウオッシュ、シトー派のアベイ修道院で造っているチーズ
シャロレ 山羊乳製、円筒型のチーズ

ブルゴーニュのワインと合わせてみたいチーズです。フランスにはチーズにも品質保証のAOC(アペラシオン・ドリジン・コントロレ)があります。食に対するこだわりは流石です。

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まとめ

 

種類の豊富さと熟成のおいしさを楽しむナチュラルチーズがワインに合います。
ナチュラルチーズにはそれぞれ赤ワインに合うものと白ワインに合うものがあります。

比較的強いウォッシュタイプやシェーブルは白に (赤ワインだと味がけんかしてしまいます)
ハード・セミハードなどソフトなものは赤に

前菜の時の白ワインをチーズ用に少し残しておくと両方楽しめます。チーズの種類に合わせてワインを選ぶとよりチーズとワインのマリアージュを楽しむことができます。
ボルドーワインですがソーテルヌなどの甘い白ワインには塩分の多い青カビチーズがよく合います。甘辛の組み合わせです。個人的にはまってしまいました。

パリのチーズ専門店

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