現在は第7次ワインブームと言われています。その歴史と、今ブルゴーニュワインに人気がある理由について
日本でブルゴーニュワインが人気の理由
シャブリを中心としたミネラルを感じられるブルゴーニュの白ワインが魚介類を中心とした和食に合わせやすく、白身魚のような繊細な日本人の味覚に合っていたこと。ブルゴーニュの白ワインの中でも比較的手の届きやすいリーズナブルな価格も要因だと思います。日本のワイン売り場ではブルゴーニュの白ワインといえば「シャブリ」で、シャブリがないワインショップはないほど有名で親しまれています。フランスのドメーヌの方とお話しても、シャブリの日本の人気は驚くほどです。
また、単一品種でブレンドしていなく、タンニンがおとなしめでデリケートなブルゴーニュの赤ワインは軽めの和食に合わせやすいのも人気の理由です。ブルゴーニュワインは食事の美味しさを邪魔しない繊細なワイン。強すぎると食に合わなくなるからです。
隣の畑なのに、畑や作り手が違うと味わいが異なるという、複雑性に魅せられたということもあります。
日本でのワインの飲み方も変わってきて、「ペアリング」で食事に合わせるようになると、和食と相性の良いブルゴーニュが人気なのも納得できます。
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日本のワイン消費の歴史
ワインは安土桃山時代に鉄砲ととともに、ポルトガルの宣教師フランシスコ ザビエルによって最初に日本に伝えられました。当時は木樽に入った酒精強化ワインと言われるポルト酒やシェリー酒です。当時は珍しいもので、大名や特権階級の人のみが飲めるものでした。
明治時代の文明開化とともに日本でワインが脚光を浴びます。西洋の文化を受け入れ、食生活の欧米化の動きが起こり、積極的にワインを取り入れるようになりました。これに合わせて、山梨県を中心に日本全国でぶどう栽培やワイン醸造を本格的に開始しました。
日本人の味覚や当時の嗜好としてワインの酸味やタンニンが好まれず、甘口ワインが人気となります。有名なのが「赤玉ポートワイン」1960年代まで日本人にとって「ワイン=甘いもの」でした。今のように食事に合わせることもありませんでした。
その後外国産のワインの輸入自由化を経てヨーロッパのワインが輸入されるようになりました。1964年の東京オリンピックをきっかけに、今までに7回のワインブームがあり、ワインが日本人に親しまれるようになります。
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日本のワインブーム
1964年 東京オリンピックで海外からのお客様が増え、洋食レストランに本格的な辛口ワインを置くようになる、高度経済成長期、外国産ワインの輸入自由化
1978年 1000円ワインブーム、家庭でワインを
1981年 一升瓶、紙パックの地ワインブーム(安くてたくさん飲める)
1987年 バブル期、ボジョレーヌーボーと高級ワイン ブーム
1994年 ワンコイン国産低価格ワイン登場
1997年 ポリフェノールが注目され赤ワイン健康機能性ブーム (1995年田崎真也さんがソムリエコンクールで優勝)
2012年 チリ産など低価格輸入ワイン市場の拡大(スーパーやコンビニエンスストアで取り扱い)、日本ワインの品質向上、和食に合うスパークリングワイン人気
その後も右肩上がりで日本でのワイン消費は伸び続けています。
日本にブルゴーニュワインを広めた坂口功一氏
1980年代の輸入ワインというとドイツやオーストリアの甘口白ワインが人気がありました。1985年オーストリア産ワインジエチレングリコール混入事件をきっかけに輸入甘口白ワインの人気が陰ります。
そのころブルゴーニュのモンラシェなど高級辛口白ワインを日本に紹介したのが坂口氏です。小さな農家の集まりであるブルゴーニュのドメーヌは当時非常に閉鎖的、排他的で、今のように日本についての知識もなく、なかなか日本に輸出させてくれませんでした。
フランス在住の坂口氏は何度も根気よくドメーヌを訪問し、人間関係を築き上げ、信頼を得て、白ワインの頂点ともいえるドメーヌ「フレーヴ」の辛口白ワインを日本に輸出することに成功しました。その後もDRC他主たる有名なドメーヌを含め約150もの生産者を日本に紹介することに貢献し、現在もご活躍です。
今はブルゴーニュにとってアメリカ、イギリスに次いで3番目に大きな市場が日本です。
まとめ
健康志向が強くなり、フランス料理でもあまりバターを使わなくなったり、お肉よりお魚や白いお肉など、フランス料理もどんどん軽めがトレンドになってきています。食事が軽くなると、合わせるワインもボルドータイプよりブルゴーニュタイプの方が合わせやすくなります。
時代の流れでしょうか、日本でもブルゴーニュは人気で、雑誌の特集も、ワインの試飲会やワインスクールの講習でも「ブルゴーニュ」だと人が多く集まると聞きます。 ワイン好きの人は一通り回って最後はブルゴーニュにたどり着くと言われる通りですね。
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