日本で専門店ができるほど人気のカヌレについて。ボルドー地方の伝統菓子で、意外ですが、ワインと関係があります。
カヌレ(Canelé ), ワインとの関係
カヌレはフランス南西部のワインの有名産地、ボルドーの街のお菓子です。バニラとラム酒の香りで外側が黒めの焼き色でカリッと、内側はしっとりとした食感が特徴です。
2つのサイズ, 大(普通サイズ)と一口サイズの小(プチカヌレ)があります。カヌレとは「溝の付いた」という意味で、焼き型に縦の溝が入っていることからその名前が付けられたとされています。
小さなカヌレ型に蜜蠟(みつろう)を塗って焼くことで艶がでて、型からはがれやすくなります。正式な型は銅製のものですが、今は扱いやすいステンレスのものやシリコンのものがあります。
16世紀にボルドーにある女子修道院で作られていたと言われています。ボルドーのワイン製造の時にワインの澱(おり)を取り除くコラージュ(清澄工程)で卵白を使用するため、大量の卵黄があまり、その卵黄を使って作ったお菓子がカヌレです。
現在は伝統的なカヌレ保存のための同業組合も結成されています。当時は新大陸から船でボルドー港に運ばれてきたラム酒やバニラをつかいました。
手作りのカヌレ
お料理教室で習ったときに、銅製のものは高価なのと、なかなか型からはがれなかった上、焼いた後に蜜蠟を洗い流すのが大変だったため(銅製、ステンレス製)、シリコン製の型にしました。パリにてシリコンのカヌレ型を購入。早速焼いてみました。大きさも食べやすい一口サイズのミニカヌレ。
シリコン製の型は大正解で、出来上がってひっくり返すだけでカヌレがポロっと落ちてきて、洗うのも簡単でした。
ポイントは生地を混ぜたら冷蔵庫で12時間寝かせることです。小麦粉のグルテンが落ち着いて、生地がトロッとしてラム酒の香りも高くなります。
あと蜜蠟を型に塗ることで、きれいな黒っぽい焼き色や艶が出ます。お砂糖は黒砂糖とグラニュー糖をまぜました。ボルドーのソーテルヌワインを合わせていただきました。蜜蠟とはミツバチから分泌される蝋(ろう)で、はちみつを採った後の巣を精製したものです。蜜蠟は白い粒状になっていて、角型に2粒ほど入れてオーブンで温めて溶かし、刷毛で型の内側に広げます。
まとめ
コツをつかめばさほど難しくないかなと思いました。手軽に一口サイズで食べられる人気のお菓子、是非トライしてみてください。
ボルドー出身のシェフがいる市ヶ谷のレストラン(Chez Olivier シェ オリビエ)でコースの後の食後にコーヒーと共にカヌレがでてきました。お皿が黒いのでわかりずらいですが。さりげなくボルドー出身をアピールしているところが素敵でした。
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