上質な赤ワインにある、ワインの澱(おり)とは?

澱-おり-carex

長く熟成された上質な赤ワインにのみ見られる澱(おり)について。

澱(おり)とはワインボトルの底に沈む沈殿物

ボトルの底に沈む沈殿物は渋みの成分である「タンニン」「ポリフェノール」結晶化したものです。若いワインには見られませんが、飲み頃までに長期熟成期間を要するワインの場合、年数を経るたびに熟成が進み、「おり」がボトルの底に沈みます。タンニンやポリフェノールをたくさん含むワインで、10年など長い熟成期間を経ていると生じます。

ワインの成分なので健康に影響がなく、飲むことはできますが、ざらっとしてせっかくのワインの風味が損なわれるので、飲まずにボトルに残します

 

醸造時のフィルタリング(濾過)技術の向上

「おり」はワインの醸造過程でも発生していますが、ボトリングするときに「おり引き」「フィルタリング(濾過 ろか)」という作業をして「おり」を取り除いているため、ボトリングしたばかりのワインには見られません。最近はフィルタリングが主流となっており、以前に比べ「おり」があるワインがかなり少なくなっています。「おり」はボトルの中での熟成期間中にできるものです。時々見かける「ノンフィルター」と記載されているワインはこの濾過作業をしていない古典的な製法のワインのため、ボトル熟成後に「おり」が多くなります。フィルタリングすることでうまみも取り除かれてしまうという説もあり、あえて「ノンフィルター」と記載しています。

つまり「おり」はボトリングされた後もワインが瓶のなかで熟成を続けるためにできます。「おり」が沈んでいるワインは余分な渋みが抜けた状態で程よいタンニンになっています。

また出来栄えのよいヴィンテージほど「おり」の量が多いとも言われています。

 

ぶどうの種類で「おり」が異なる

「おり」はぶどう種により異なります。ボルドーなどメルローやカベルネソーヴィニヨンなど皮の厚いぶどう種の赤ワインの「おり」は比較的大きく、ブルゴーニュのピノ・ノワールなど皮の薄いぶどう種のワインの「おり」は非常に細かい等違いがあります。特にブルゴーニュの細かい「おり」は沈めるのに時間がかかります。

白ワインでも稀にミネラル成分が「結晶」になることがありますが、「おり」は主に赤ワインによく見られます

下記は1995年のボルドー オーメドック

ブルゴーニュワインのヴィンテージチャート

 

「おり」のあるワインの扱い方

ワインのボトルの底が少しくぼんでいて、内側が上がっているのはこの「おり」が沈んだ時に、ドーナツ状のボトルのくぼみに「おり」を沈ませて、ワインをグラスに注ぐときにボトルの中に「おり」が舞うのを防ぐためです。

「おり」があるワインを開けて飲むときは、何日か前からボトルを縦て、その後ラベルを上にして寝かせておくと、ボトルの底の一か所に「おり」を集めて沈めることができます。「おり」はいったん舞い上がると沈むまで数時間から数日かかります。「おり」のあるワインはコルクを開ける時も、グラスに注ぐときも、「おり」が舞わないようにそっと行います。「おり」はなるべくグラスに入れずに注ぐのがポイントです。

万が一レストランや友人宅などに持ち運ぶ必要がある場合は, 数日前に送るなど注意が必要です。持ち運んですぐに飲むことは避けたいです。

「おり」が多いときはデキャンタージュがお勧め

 

古酒などで「おり」が多い場合はデキャンタージュ(デキャンタなど別のガラス容器に移し替える)をお勧めします。デキャンタに注ぐときは、ワインのボトルの中にある「おり」が舞わないように注意しながら、ゆっくり上澄みを注ぎます。「おり」が取り除かれたデキャンタから安心してグラスに注ぐことができます。

デキャンタージュにはもう一つ、熟成が十分でない若いワインを空気に触れさせることで酸化させ、香りを開かせる目的で一般的には使われます。

また新しいワイングラスでグラスの底にくぼみがついていて、「おり」がくぼみの部分にたまりグラスを傾けても口の中に入らないグラスもあります。

ブルゴーニュワインの熟成期間、難しい飲み頃の見極めは?

まとめ

ワインの製造方法が変わり、フィルターの技術が進んだため、以前ほど「おり」があるワインをほとんど見かけなくなりました。やはり古いヴィンテージで昔の製法で造られたワインは画像のように「おり」があります。ブルゴーニュだとやはり2000年以前と以降で違いがあることが多くあるようです。2000年以前の古いヴィンテージの時は注意が必要です。

 

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Home & Kitchenで2009年ヴィンテージのグランクリュ、「おり」はありませんでした

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2 件のコメント

  • はじめまして、今年に入り古いワインをあえて飲み続けています。
    その中で赤ワインについててわすが、色が全て澱に落ちてしまい白ワインみたくなるものがありますが色が落ちないものと落ちるものの差はつくりによるものなのでしょか?
    ボルドー、バルバレスコ、ブルゴーニュで経験があり30年程度で白ワインみたくなったものがありました。

  • homebuyer より:

    ご質問ありがとうございます。サイト運営者の平上です。
    赤ワインの色が落ちているのは、残念ながら私は経験がありませんが、以前葉山考太郎先生の古酒の会で伺ったのは、赤ワインも白ワインも古くなると最終的には同じ色になるとおっしゃっていました。白ワインはオレンジがかったゴールド、赤ワインはオレンジがかった茶色。色だけでなく、味わいについても、醸造家ごとに異なる作り方、保管状態によりかなり差がでます。またその年のぶどうの出来栄えによる差もでます。一概には言えませんが、古酒は白ワインだとシェリー酒のような香り、赤ワインだとマデラ酒のような香りがしました。今までの私の古酒の経験からは、当たりもあり、外れもあるという印象です。30年を過ぎると外れの確立が高いと感じました。同じワインでも異なる味わいや色のことがあるので、古酒はむしろ保管状態が大きく影響していると思います。

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