ちょっと聞きなれない言葉ですが、いわゆるブルゴーニュの金賞ワイン「タストヴィナージュ」についてご紹介します。
「ブルゴーニュ利き酒騎士団」(シュバリエ ド タストヴァン)と試飲テスト
ブルゴーニュには1934年に設立された「ブルゴーニュ利き酒騎士団」(シュバリエ ド タストヴァン)という国際的に知られている大規模なワインソサエティーがあり、年に2回優秀なブルゴーニュワインの認定を行っています。騎士団は主にブルゴーニュワインの価値向上を目的に設立されました。
250人以上のワイン鑑定人を招集しブラインド(目隠し)で試飲テストを行い、その名称と特徴を備えていると認められたワインのみ認定され、その証としてエチケット(ラベル)に騎士会の緑の紋章を付け「タストヴィナージュ」と呼ぶことが許されます。このラベルどこかで見覚えがある方も多いと思います。
試飲会はシャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョで開催され春に赤ワイン、秋に白ワイン・泡・ボジョレーが審査されます。審査員はワイン醸造学者やレストラン経営者など、ブルゴーニュワインを広めることに貢献している方からなるブルゴーニュ騎士団の会員です(シュバリエ Chevalier)。会員は全世界で約10,000人。私のお世話になっているワインの師匠もシュバリエです。日本にも全国に150名ほどシュバリエがいらっしゃいます。会員2名からの推薦によって、審査の上、任命式を経て任命されます。
日本では毎年12月に明治記念館にて「ブルゴーニュワインの騎士団クリスマス例会」が開催されています。2018年は12月5日に開催されました。
この試飲テストは1950年から行われている伝統ある行事です。この試飲テストの時には普段は静かな「シャトー デュ クロ ド ヴージョ」が大勢の人でにぎわいます。このシャトーは普段はブルゴーニュワイン博物館として一般見学できます。コート ド ニュイのヴージョ村の畑の真ん中にあり、国道からぽつんと見えます。
クロ ド ヴージョは12世紀から始まるシトー派の修道僧によるワイン造りの歴史が始まった畑といわれています。シャトーは利き酒騎士団の集会、祝典の舞台となっています。
「ブルゴーニュ利き酒騎士団」の入団式と晩餐会が「栄光の3日間」と呼ばれるブルゴーニュ最大のワイン祭り(11月)の初日にあり、「シャトー デュ クロ ド ヴージョ」でお祭りが開幕します。
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国際的に認められている伝統的な認定「タストヴィナージュ」
日本のワインショップに行くと数知れずの「金賞」タグが付いていますが、コンクールがたくさんあり、味わってみると何の金賞?と疑いたくなることも多いのが実情です。その点、この「タストヴィナージュ」は国際的に認められている伝統的な認定なので、安心して購入することができます。もちろんミレジム(ヴィンテージ 年度)で認定されるので、同じ銘柄のワインでもミレジムが異なれば、認定外で紋章のエチケット(ラベル)はつけられません。この厳しさが、フランスらしく、信頼できます。
昨年10月ボーヌで騎士団の責任者の方(Chevignard氏)とご一緒する機会があり、日本のブルゴーニュワインマーケットについて、大変ポテンシャルが高いと評価されていました。「ブルゴーニュワインの価値や味がわかる消費者が日本には大勢いる」という心強い言葉に、かなり勇気づけられました。
下記はオオゼキ松原で見つけたタストヴィナージュです。1本2,000円くらいで、とてもお得感がありました。どちらも Domaine Chene (ドメーヌ シェーヌ)マコン地区の生産者です。もちろん味は2,000円とは思えないものでした。2016年は早飲みタイプで、すでに開いていてすぐに美味しくいただけました。どちらもナンバリングされています。
タストヴィナージュは賞としてその都度異なるヴィンテージや銘柄に付与されます。フランスでもタストヴィナージュを一つのブランドと勘違いされることが多いと聞きました。ラベルに見覚えがあるので勘違いされやすく、もちろんAOCの格付けによって価格もまちまちです。一番お得なのは下記のようなAOC ブルゴーニュ ピノノアールですが、村名など様々な種類があり、価格も異なります。同じレベルのAOCと比べると賞をいただいているので、美味しさは各段です、迷わずタストヴィナージュを購入することをおすすめします。
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まとめ
「タストヴィナージュ」のマークはブルゴーニュの金賞ワインと考えてよいでしょう。ブルゴーニュ利き酒騎士団がブラインドテイステイングで選んだワインです。あまり多く出回ってはいませんが、見つけたらおすすめです。
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