チャリティーオークションワイン、「オスピスドボーヌ」(Hospices de Beaune)
ブルゴーニュで一番大きな都ボーヌの中心部にある施療院(Hotel Dieu オテル デユー 神の宿の意味)は15世紀に建てられたゴシック様式の歴史的建造物です。中庭を囲む幾何学模様の色鮮やかな瓦屋根が目を引きます。
ボーヌの施療病院は慈善活動のための施設として建てられ、貧しく病に苦しむ人々を救済する場所でした。1971年まで実際に病院として使用されていた建物は非常に良い状態で保存され、ベッドや家具、タペストリーなどそのまま保存され、博物館として見学することができます。
その長い歴史の中で、近隣の貴族などからぶどう畑が寄付され、その畑から造られたワイン「オスピスドボーヌ」の売上が病院の運営を支えてきました。施療院が所有するぶどう畑は年々増え続け、ブルゴーニュ地方一帯にぶどう畑を持つようになったのです。最初は顧客への直接販売でしたが、より多くの資金を集められるようにオークションを始めました。
ブルゴーニュワイン祭り「栄光の3日間」(Les Trois Glorieuses レ トワ グロリユーズ)
今でも毎年11月にブルゴーニュ最大のワイン祭り「栄光の3日間」(Les Trois Glorieuses レ トワ グロリユーズ)が開催され、2日目に「オスピスドボーヌ」のオークションが行われます。オークションの落札価格がその年のブルゴーニュワインの価格に大きな影響を与えると言われています。今はイギリスの有名な「クリスティーズ」がオークションを取り仕切っています。
オークションは樽単位で売買され、落札された樽は落札者が委託したネゴシアン(ワインの卸売業者)によって約2年ほど樽熟成から瓶詰めまで管理されます。落札者は落札とともに代金を支払い、2年後に瓶詰されたワインとして販売することになります。最近はブルゴーニュワイン人気とともに非常に価格が高騰しているようです。チャリティーオークションの意図から一般的なブルゴーニュワインの取引価格より高い価格で落札されます。そして慈善の心の現れとしてワインのラベルに落札者の名前が記されます。
このオークションは世界中から多くの人が訪れる人気あるワインイベントです。いつもは静かなボーヌの町もオークションの時期はボーヌ近郊も含め1年前からホテルの予約も難しいほど大混雑になります。このオークションの売上金は慈善団体に寄付されたり、施療院の運営費に充てられます。
この「オスピスドボーヌ」の秘蔵ワインが、施療院の地下全長数百メートルのセラーに保存されています。
「オスピスドボーヌ」を買って味わうことが、つまり寄付することになるワインです。ブルーのマークの付いたエチケット(ラベル)を見かけたら、購入して是非味わってみてください。
日本にはごく少量しか輸入されていないとのことです。
私のワインのフランス人の師匠がこのオークションで5年ほど前から樽買いをしています。昨年も購入したとのことです。いつか私も購入したいなあと夢は広がります。
2018.9.21追記
パリの師匠(シュバリエ)のお宅で樽買いした「オスピス・ド・ボーヌ」Beaune-Greves 1er Cru 2011 をごちそうになりました。師匠も驚くほど飲み頃の熟成でとろみがありました。忘れられない絶品ワインです。さすが「オスピス・ド・ボーヌ」ですね。ラベルに師匠の名前が印字されていました。
当社はオスピス ド ボーヌ特級のバックヴィンテージを輸入販売しています
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