コート ド ボーヌにあるコルトンの丘
グランクリュ街道沿いにコート ド ボーヌに行くと、標高388mのマッシュルームのような形の小高いコルトンの丘があります。ちょうど北の「コート ド ニュイ」と南の「コート ド ボーヌ」を分ける位置です。「コルトンの丘」(La colinne de Corton)と呼ばれていて丘の頂きに樫の木があります。コルトンの丘には赤と白の2つのグランクリュ(特級)が格付けされている斜面があり、コート ド ボーヌ最大の特級畑面積があります。すそ野には有名な3つのワインの村があります。
ラドワ セリニ村(Ladoix-Serrigny) :コート ド ニュイの香りを残すボーヌの入り口
ペルナン ヴェルジュレス村(Pernand-Vergelesses) :シャルルマーニュ大帝ゆかりの畑「アン シャルルマーニュ」を擁する村
アロース コルトン村(Alox-Corton) : ヘビー級のコルトン シャルルマーニュとコルトンの実力、3つの村で一番面積が広い村
この3村のみがグランクリュ, 赤の「コルトン」と白の「コルトン シャルルマーニュ」を名乗ることができます。その他に外側を囲むように1級クラスとより低い斜面にそれぞれの村名クラスのAOCがあります。コルトンの丘はこの3つの村にまたがっています。畑の土壌は石灰岩を多く含んでいるため白っぽく見えます。
昨年9月に車でコルトンの丘の細いくねくねした道を登りました。上からの眺めは素晴らしかった。
見晴らしのよいペルナンの丘の上にある母子像
ペルナンの村とぶどう畑(景観保護村指定)
当社輸入販売の珍しいペルナン ヴェルジュレス
コート・ド・ボーヌ唯一の赤のグランクリュ「コルトン」
白ワインで有名なコート ド ボーヌではコルトンの丘が唯一赤のグランクリュが認められています。コルトンの丘の、南西部は白ワインが造られています。南東部は斜面の上部はシャルドネ(白)、中部と下部にはピノノワール(赤)というように、2つの異なるぶどう品種のグランクリュが隣り合って格付けされるのはブルゴーニュでも他に例がありません。
コート ド ボーヌの一番北に位置することから、赤ワインはコート ド ニュイに似ています。スミレの芳香が豊かな、力強くたっぷりとした味わい、強く引き締まったタンニンが特徴です。ヴォルテールのお気に入りだったと伝えられています。長期熟成向きのワインです。
また「コルトン」は少量の白ワインも認められています。
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コルトンAOCで有名な白ワイン「コルトン シャルルマーニュ」
神聖ローマ帝国カール大帝(カールはドイツ語読み、フランス語でシャルルマーニュ Charlemagne)が775年までこの地のぶどう畑を所有していたことが畑の名前の由来になっています。抜群の日照を浴びた完熟シャルドネからは肉厚でグラマラスな白ワインが生まれます。「コルトン・シャルルマーニュ」はモンラッシェに並ぶ世界最高級の辛口白ワインと言われています。黄金色にきらめく色調は熟成とともに琥珀色へ変化し、バターや焼きリンゴが香る強いアロマの偉大なワインです。
まとめ
コルトンの特級は飲んでみるとその質の高さが分かります。コートドニュイに比べると比較的まだ価格はリーズナブルですが、高騰しています。特に白のシャルルマーニュは需要の高さから価格が上がっています。当社の輸入販売していたコルトンシャルルマーニュは完売してしまいました。残念ながら再入荷の予定はありません。
このページ面白く読ませていただきました。
しかし、最初の5行の一で誤りが二つあります。
(1)コルトンの丘は現地ではコルトンの森、とは呼ばれていません。Bois de Cortonと言うのは、単に頂上の部分の森の事を指し示すのであって、丘全体はLa colinne de Corton、普通にコルトンの丘と呼ばれています。
(2)コルトンの丘には、もみの木はほんの少ししかありません。70%が樫の樹、20%が黒松、残り10%が雑木林で、この雑木林の中にもみの木がほんの少しあるだけです。
(2)については、ディジョンのブルゴーニュ大学醸造学研究所に在籍していた際に、2日間かけて植物学者・ベテランの植木職人と調査した際のデータです。間違いありません。もみの木は数本、10本以下だと思うのですが、当時の現地でのメモにも残っていませんでしたので、かなり少なかったのでしょう。このお返事では、少なかったとのみお伝えしておきます。
これをお読みになった方が勘違いして覚えられることは良くないと存じます。訂正なさった方がよろしいかと存じます。
貴重なご指摘ありがとうございました。ブログ更新いたしました。