ブルゴーニュのぶどう畑の「クリマ」、世界遺産

ムルソー-ジュヌビェール-les-genevieres

クリマとはブルゴーニュのぶどう畑の細分化された区画

2000年の歴史の中で、細分化されたぶどう畑は、区画(クリマ Climat)ごとに、日当たり(傾斜の向きや位置による)、風(森や谷の近くなど)、土壌(石灰岩や粘土など)などの条件が異なり、それぞれに名前をもち、収穫するぶどうの品質が異なることが分かっており、地質学上でも裏付けられています。

道を隔てた隣同士でも、クリマが異なると、出来上がるワインの味わいが異なるという大変珍しいぶどうの生産地であり、モザイク状に整った景観が形成れています。有名な畑は石垣や生垣などで仕切られ「クロ」などと呼ばれています。

クリマの仕切り

2015年「ブルゴーニュのぶどう畑のクリマ Les Climats du vignoble de Bourgogne」は「人類が2千年をかけて育み、世界に伝播した他所にはないぶどう栽培のモデル」としてユネスコ文化遺産分野での世界遺産登録を受けました。

広いブルゴーニュ地方ですが、世界遺産登録対象はデイジョンから1,247のクリマを持つボーヌの南のマランジュまで、ボーヌ市街を含むコート・ドールデイジョンの歴史地区です。世界的に有名なモンラシェ Montrachet, ロマネ・コンティ Romanée-Conti, クロ・ド・ヴージョ Clos de Vougeot, コルトンCorton, ミュジニー Musigny、シャンベルタン Chambertin、ムルソー Meursault などが含まれています。

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ぶどうの単一品種による醸造だから、クリマが重要

ブルゴーニュワインの特徴として基本的にピノノワールやシャルドネなどの単一ぶどう品種により醸造します。そのため、クリマによりワインの味が異なることを楽しむことができます。
(ボルドーは基本的に複数のぶどう種をブレンドします)

1品種しか使わないため、土地の個性や生産者の個性(醸造方法)がワインに直接的に表れ、繊細な味わいが特徴的です。1品種しか使わないため、半面不作など自然の影響を大きく受けてしまい、大量生産には向きません。ぶどう畑は増えないので、産量も増えません。

近年のブルゴーニュワイン人気に伴い、価格も高騰しています。

2018年9月、ムルソー村を訪問、道の向かい側はピュリニィ・モンラッシェの区画でした。
クリマの仕切りになる石垣はこの畑の地層からなる石灰岩(calcaire カルケール)です。
ムルソーの方がより石灰岩が多く、ぶどう畑は白い色をしていました。ピュリニィ・モンラッシェのほうは石灰岩に粘土が混ざっており、ぶどう畑は赤みを帯びたオレンジ色をしていました。
この石灰岩はシャルドネ種ととても相性が良いため、この辺一帯はシャルドネの白ワインを栽培しているとのことです。

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石灰岩が多いと女性的、粘土が混じると男性的なワインができます。

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