決められた規則はありませんが、料理と相性の良いワインと料理を組み合わせるペアリングで、フランスで昔からいわれているいくつかの約束ごとの紹介です。
お料理とワインを合わせるときの約束ごと
軽い料理には軽いワインを
手の込んでいない料理には若いワインを
凝った料理には上質なワインを
手の込んでいない料理とは例えば素材そのものを楽しむものが当てはまります。タラバガニには熟成タイプのワインは合いませんでした。どちらが主役か?と感じます。生牡蠣も同様でした。
凝った料理とは煮込み系やソースがかかっていたり、素材よりむしろ料理としての味を楽しむものです。お料理とワインのどちらを主役にするか?を考え、むしろ少し差をつけたほうがペアリングとしては良いと思いました。和牛のシャトーブリアンには中くらいのブルゴーニュ村名がぴったりでした。こちらも素材を生かしたステーキだったので、手の込んでいない料理といえます。
最高級の食材だから最高級のワインを合わせるのが必ずしも良いわけではないということです。料理法によります。個人的には最高級の食材はできれば素材を生かしたシンプルな料理法が好きです。
お料理とワインのペアリングの基本
組み合わせがうまくいけばお互いに引き立て合い、別々に味わう時よりも一層美味しくなります。逆にうまくいかなければ、反発し合いどちらも魅力を失ってしまうことになります。
色を合わせる : 食材の色とワインの色を合わせる(赤ワインに赤い肉類、ジビエなど、白ワインに鶏や豚などの白いお肉やシーフードなど)
同じ土地のものを合わせる(テロワール) : 同じ産地のお料理とワインを合わせる (ブッフブルギニヨンとジュブレシャンベルタンなど)
対照的なものを合わせる(コントラスト): お料理とワインの出会いから新鮮な風味が現れることがあります (ブルーチーズと甘口の白ワイン ソーテルヌなど)
類似したものを合わせる(フュージョン): 味の傾向が同じ料理とワインを合わせる(脂っこい料理にはコクのあるワイン、さっぱりした料理には辛口のワイン、甘口のデザートワインなど)
その他
食材だけでなく、ソースや付け合わせに合わせる :ソースや付け合わせにポイントになる味があるときなど (サラダのベーコンなど)
マリアージュ(結婚)とは2つの異なるものが組み合わさることによって新しいものを生み出すことです。ペアリングによって素敵なマリアージュが生まれます。
コースで複数のワインを飲むときの注意
白ワインは赤ワインより先に
若いワインは熟成したワインより先に
軽いワインはコクのあるワインより先に
当たり前のようですが、この順番を間違えると、残念な結果になります。
フランスで食後のチーズに白ワインを合わせたいときは、少しだけ白ワインをグラスに残しておくことがあります。個人的には一度赤ワインに移ると、白ワインに戻るのはちょっと難しいと感じます。ただチーズは種類によって白ワインの方が合う場合も多々あるので、チーズ好きならチーズによって赤や白を分けて合わせてみるのもよいと思います。フランスではチーズは色々な種類がワゴンに乗ってサービスされます。
ワイン会などで大勢で5本、6本と続けて飲むときはこの約束事を守ると失敗しません。一般的にはシャンパーニュやクレマンドブルゴーニュ(スパークリングワイン)から初めて、軽めの白ワイン、熟成タイプの白ワイン、軽めの赤ワイン、熟成タイプの赤ワインという流れになります。
お料理はなるべくそのワインに合わせてメニューを考えます。
正式なフランス料理のコースの流れ 8品
通常家庭では前菜、メインにデザートの3皿ですが、正式なコースになると8品がサービスされます。
1.アミューズ Amuse (突き出し)
2.オードブル Hors-d’oeuvre(前菜)
3.スープ Soupe
4.ポワソン Poisson(魚料理)
5.ソルベ Sorbet (口直し)
6.アントレ Entrée(肉料理)
7.デセール Dessert(デザート)
8.カフェ、プティフール Cafe, Petits fours(コーヒーと小菓子)
8品にそれぞれ合わせるワインを考えただけで楽しくなります。逆にワインを決めて、合わせる料理のメニューを考えるのもいいですね。
昔フランス人の友人を自宅の夕食に招いたときに、欲張って4品を出したところ、前菜、メインとデザートで十分とアドバイスしてくれました。あれもこれもと思いますが、とっておきの3皿の方が後で印象にも残るということですね。それ以来、我が家ではこの3皿を守っています。
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まとめ
ペアリングに決まりはなく、あくまで個人の好みです。自分が相性が良いと感じても、他の人はあまり好まないこともあります。
自分が好きなペアリングを見つけたら、色々とアレンジしてみると今までよりワインとお料理を楽しめます。ペアリングに失敗しても、なぜを考えて、次回チャレンジすればOK 。失敗を重ねないとよいペアリングは見つかりません。大切なのは合うと思ったら早速試飲試食してみることです。回数を重ねるたびにペアリンがうまくなります。
スーパーに食材を買い物に行ったときに、食材をみて「あのワイン」に合わせたいと思うようになります。画像のサーモンにどんなワインを合わせ、どんな料理をしますか?
ルペショーレのニュイサンジョルジュ 珍しい白にサーモン ミキュイ、ブールノワゼットを合わせて。酸が溶け込んで程よく熟成、ほんのりと樽の香り、余韻が長く、粘性あり、濃いめのゴールド
当社輸入販売のニュイサンジョルジュ白
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