貴腐(きふ)ワインって何?
ワインスクールで初めて聞いた単語でした。腐ったぶどう?
琥珀色の濃厚な蜜のような甘みと極上の風味を持つ高級白ワイン。食後のデザートワイン、フォアグラと合わせたり、食前酒としても飲まれるワインです。
白ワイン用品種のぶどうが、果皮に「ボトリティス・シネレア菌(Botrytis Cinerea)」というカビに感染することで糖度が高くなり、香りが高くなるぶどうを「貴腐ぶどう」と呼び、それにより醸造された、極甘口のワインが「貴腐ワイン」と呼ばれます。
ぶどうの皮を食べるぶどう菌により水分が蒸発し、カビに包まれたレーズンのように「しなしな」になりますが、内部の果汁は粘土と糖度が高く、それを絞って造られるため多くのぶどうから少量しか生産できなく、大変高価なワインになります。菌の代謝により「貴腐香」と呼ばれる独特の香りもあります。
本来はフルーツの病原菌で、灰色カビ病とも呼ばれ被害も出ていますが、白ワイン用のぶどう品種のなかで果皮が薄い「セミヨン」や「リースリング」などの熟成した果粒にこの菌が単独感染した場合のみ、良い影響をもたらし、このワインが醸造されます。
アイスワインとの違いは、気温です。アイスワインは気温が-8℃以下になる時期まで完熟のまま収穫せず、凍結した状態で絞ります。貴腐ワインとよく比較されます。
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フランスではボルドー南部のソーテルヌ地方が3大産地の一つとして有名
ハンガリー、ドイツに並びフランスのボルドー南部のソーテルヌ(Sauternes)地方が3大産地の一つです。
ソーテルヌはフランスのAOCワインの一つで、「セミヨン種」と「ソーヴィニョン・ブラン種」のぶどうで造られる貴腐ワインです。中でもシャトー・ディケム(Chateau d’Yquem)は一番高価で有名です。ソーテルヌ丘の頂にあり、特級(グランクリュ)畑です。ぶどうの樹1本からボトル1本しかできない希少なワインです。長期熟成ワインで、先日33年熟成した1985年ヴィンテージをテイスティング会でいただきました。
三大貴腐ワイン
フランス – ソーテルヌ セミヨン種
ドイツ – トロッケンベーレンアウスレーゼ リースリング種
ハンガリー – トカイ フルミント種
古酒のテイスティング会で飲んだ「シャトー・ディケム 1985年」
よく冷やしてから飲んでください。デザートワインとして、デザート代わりに単独で、またはデザート(甘いフルーツやチーズ系のケーキ)に合わせていただきます。チーズとの相性も良く、特に同じカビ同士、ブルーチーズの塩分と貴腐ワインの甘味がよく合います。
普段食事の時は辛口ばかり飲んでいますが、テイスティングしてそのおいしさに感動し再認識しました。デザートにはぴったりのワインです。たくさん飲むワインではないので、ハーフサイズのボトルが多く出ていておすすめです。コルク栓を抜いても冷蔵庫で2~3日保存可能です。
フォアグラのステーキに合わせてみました。この二つの相性の良さは有名です
有名なシャトーギロー
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