目次
ボルドー左岸、多様性に富む4つの地区のセミナーと試飲会
プロ向けボルドーの大試飲会の前に下記の4つの地区のセミナーがありました。
グラーブ (Graves)
ソーテルヌ (Sauternes)
ぺサック レオニャン ( Pessac-Leognan)
バルサック(Barsac)
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ボルドーのワインが最初に造られたのはグラーブ(Graves)であり、最初に輸出されたのもグラーブ(Graves)
1152年イギリス王家との婚姻によりボルドー一帯(アキテーヌ)がイギリス領土となり、ワインがイギリスに輸出されました。「クラレット」と呼ばれるフルーティで早飲みタイプのロゼワインでした。樽詰めのグラーブのワインが3世紀に渡りイギリスに輸出され、繁栄を続けました。
1600年代、メドック地区よりはるか前に、グラーブ地区に現代の5大シャトーの一つであるシャトー・オー・ブリオン(Chateau Haut Brion) が造られています。ボルドー5大シャトーの中でも別格ともいわれています。グラーブ地区はボルドー銘醸ワインの起源となっています。AOC Gravesはボルドー最古の1937年に認定されました。
17世紀の終わりに現在の長期熟成型の赤ワインが発明され、アメリカ人の間でもグラーブのワインはボルドーで最良のワインと考えられていました。
ところが19世紀のメドック各付けの誕生により、世界的にはメドックの方が価格や名声が高くなり、グラーブ地区はすっかり影が薄くなってしまいました。今はボルドー左岸といえばメドックが一番有名ですが、最初の起源は「グラーブ」でした。
メドック地区との大きな違いは赤ワインだけでなく白ワインもかなり生産されていることです。
また現在は国内消費が80%と輸出が少ないのも特徴です。日本でも少量しか輸入されていません。
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ソーテルヌ バルザックのクリマと白ワイン
霧がかかる朝と、風が吹く午後が交互に訪れるます。湿気は南のランドの森と、北のシロン川からもたらされます。ガロン川よりシロン川は水温が低いため、霧ができぶどう畑に広がります。秋には霧がなくなり東から乾いた風が吹きます。この気象条件によって「ボトリティス菌」が発達しました。
ボトリティス菌がぶどうにつくと、だんだん腐って糖度が上がります。白ぶどうはだんだん茶色く、小さくなります。生産者が摘み取る時期をよく見極めた上で醸造します。
ぶどう種はセミオンが多く、ソービニヨンなども混ぜることがあります。
甘く、官能的な、長期熟成型の白ワインができます。またその製造工程から収穫量もボルドーで一番少なく、希少で高価なワインとなります。ソーテルヌでは「シャトーディケム」が唯一のプルミエクリュシュペリウールとなります。
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4つの地区の6つのワインのテイスティングをしました
最後にテイスティングしたソーテルヌ2種が忘れられないほど美味しく、ますますソーテルヌのファンになりました。同じソーテルヌでも糖度の違いや香りの違いを比較しました。
Clos Dady Sauternes 2015 : 甘さを抑えている。香りのボリュームが大きい。甘みの中に酸が立って骨格を作っている。50年の古木(ヴィエイ ヴィ―ニュ)現代風のスタイルの作り方
Chateau Myrat Sautenes 2015 2nd grand cru classe en 1855 : 強いアタック、豊かな甘み、酸は強く、ストラクチャーがある、長く熟成するタイプ。骨格のある甘口。クラッシックなソーテルヌの作り方
少し甘みを抑えた現代風のスタイルのソーテルヌはデザートやチーズ、フォアグラだけでなく、ローストチキンなど鶏肉にも合わせることができます。またアペリティフ(食前酒)としても飲むことができます。
ソーテルヌについては日本への輸出が増えていて、甘口の白ワインが徐々に日本で人気が高まっているとのことです。
またソーテルヌの特徴として、長期熟成型であり、お子様の誕生ワイン(バースデーワイン)にも最適とのお話しがありました。お子様が20歳になったときに甘口の白ワインは飲みやすいからです。確かに20歳でいきなりボルドーのフルボディは難しいかもしれません。親はともかく、成人した本人が楽しむならソーテルヌはいいと思います。
その後に開催されたボルドーの大試飲会でも、更に様々なソーテルヌの飲み比べをしました。こんな機会はなかなか訪れないので、10種類ほどテイスティングしました。
甘口の白を飲むとなかなか赤ワインには戻ることができずに終わりました。(100本以上のボルドーワインが試飲会に出ていました)
この日はソーテルヌの飲み比べという貴重な機会に恵まれました。
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