9年熟成のブルゴーニュの赤ワインを抜栓したところ、コルクの裏側がキラキラと輝いていて、嬉しくなりました。こんな経験はありませんか?
ワインのダイヤモンドと呼ばれる酒石(しゅせき)
良く熟成した古いヴィンテージのワインで、コルクの裏側にキラキラと輝く結晶が付着していることがあります。光に反射してキラキラと輝いて見えるので「ワインのダイヤモンド」と呼ばれています。
ぶどうに含まれる有機酸化合物の一つ「酒石酸」とミネラルが結合してできる結晶です。
赤ワインにも白ワインにも、主にミネラル分が多く含まれる古い上質なワインに見られ、時間とともに結晶は大きくなります。
白ワインは透明からやや白っぽい結晶、赤ワインは赤黒い結晶ができます。ワインに含まれる成分のため健康には影響はありません。低温で長期間熟成されたワインに見られるため、ワイン好きに喜ばれます。
ワインの保管やグラスに注ぐときに注意
温度が低くなると結晶ができやすくなるため、長期に10度以下の冷蔵庫などに保管しているとできる場合があります。冷蔵庫でのワインの長期保管はおすすめしない理由の一つです。長期であればワインセラーでの保管か、ワインセラーがない場合はなるべく早く飲んだほうがよいです。
またコルクに付着しているだけでなく、ワインの中にも含まれています。澱(おり)と同じで害はありませんが口に含むとざらっとするので、グラスに入らないように、飲む前にボトルを立てるまたはデキャンティングするなど、ボトルの底に沈殿させてからグラスに注ぐとよいでしょう。
まとめ
最近はあまり澱やワインのダイヤモンドを見かけなくなりました。技術が上がり、澱や結晶が出ないようにワインが出来上がった後に濾過作業を行っている生産者が多くなったためです。ただし、濾過するととワインの味わいに影響し、ワインの品質低下となるとも考えられています。とくに長期熟成タイプのワインでは懸念され、濾過を行わない又は緩く濾過する生産者もいます。
ヴィンテージの古いワインを味わうときに澱や結晶があるのはステイタスのひとつです。思わずラッキーと嬉しくなります。
コルクにワインのダイヤモンドがついていたワイン
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