ワイン好きなら誰もがあこがれる、コートドニュイ。特に赤ワインのファンにとっては外せないワイン産地です。
ブルゴーニュの5つの地区の中でもコートドール(黄金の丘)の北側、高級な赤ワインで有名なコートドニュイ(Cote de Nuits)
ブルゴーニュの特級赤ワイン25のうち最多24の最高格付けグランクリュ(特級)畑がある地区で、最も有名なのは「ロマネコンティ」(Rommanee-Conti)。ブルゴーニュが誇る偉大な赤ワインの産地です。ディジョン(Dijon)の街からボーヌをつなぎ南北に走る県道974号線の西に、東向きの斜面が連なり、朝から太陽の光をたっぷり浴びる畑です。県道から見るぶどう畑は見事に整列され、細かく区画が分かれています。特に特級畑が続くボーヌ・ロマネからジュヴレ・シャンベルタンのルートは特級畑街道(Route des Grands crus ルートデグランクリュ)と呼ばれています。
コートドニュイの東向きの丘陵斜面は下記の3点から優れたぶどうを産出します
日光が朝から地表に対して直角に射す
雨が地表にとどまらないために水はけに優れ
表土が薄くぶどうが地下深くまで根を張る
コートドニュイ地区は生産量の99%がピノノワールから造られる赤ワインで、世界最大の広さのピノノワール種のぶどう畑が広がっています。村ごとにテロワール(土壌や気候などの自然条件)を表現した個性豊かなワインを生み出し、上品で風格のある長期熟成タイプが最も多い地区です。中世の昔から修道僧がテロワールの優劣をもとに開墾し、今なお特別な存在として扱われているのは奇跡としか言いようのない驚きです。
コートドール(黄金の丘)でも南側のコートドボーヌ(Cote de Beaune)がシャルドネから造られる高級な白ワインで有名なのとは対照的です。
有名な村が連なっており、世界中が憧れるお宝のようなAOCが集まっています。一度は聞いたことのある村名がたくさんあります。
特に赤ワインでお勧めの7つの村を北から順に紹介
Fixin(フィサン)
「コストパフォーマンス高いジュヴレシャンベルタンに似た長期熟成ワイン」と表現されています。頑健な果実味や土っぽいタンニンが豊かな筋肉質タイプの赤を多く産出している村です。グランクリュはありませんが、プルミエクリュ(一級)で「クロナポレオン」があります。村にはナポレオンの銅像があります。ジュヴレシャンベルタンに近いことから比較的良質なワインが手ごろな価格で入手できるのが魅力です。
Gevrey-Chambertin(ジュヴレシャンベルタン)
「力強い男性的な味わいのワイン」と表現されています。最高級の赤ワインを産出する村としては北限に位置し、骨格のしっかりした長期熟成型。土やスパイスの香りが強くタンニンが豊かでがっつりとしています。9つのグランクリュを持つブルゴーニュの王とされています。ナポレオンが愛したことでも知られています。ナポレオンはモスクワ円生の折にも車に積ませて持参したと言われています。
Morey-Saint-Denis(モレサンドニ)
「たくましい果実味と同居するフィネスの味わい」と表現されています。小規模にもかかわらず、なんと村の3割がグラン・クリュ、5割が一級畑です。有名な「ジュヴレシャンベルタン」と「シャンボールミュジニ」に挟まれた村です。その立地から、良質のワインが比較的手ごろな価格で入手できることで注目を集めています。果実味にあふれ、豊潤で、力強く、独特の風味を伴う情熱的なブーケと、イチゴや菫の華やかな香りに包まれているといわれています。
Chambolle-Nusigny(シャンボールミュジニ)
「しなやな女性的な味わいのワイン」と表現されています。透明感のある清らかな、最高のエレガンスを追い求めたワイン。華やかなフレーバー、シルクのように滑らかなのどごし。ブルゴーニュで最もデリケートにしてエレガントなワインといわれています。日本人には飲みやすく人気が高いワインです。
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Vougeot(ヴージョ)
「果実味の肉付きが良く、スパイスの香りが魅力的な、長期熟成型ワイン」と表現されています。唯一のグランクリュ「クロドヴージョ」の畑が村の8割を占める小さな村。グランクリュの畑としては最大の広さがあり、83人もの所有者がいます。
畑にはルネッサンス様式の「シャトーデュクロドブージョ」があります。
Vosne-Romanee(ヴォーヌロマネ)
「官能とフィネスに溢れる味わいのワイン」と表現されています。コートドールの中で最も光り輝く村として知られています。畑の面積はとても小さいために大変貴重で高価なワインとなります。ロマネコンティの畑があります。エレガンス、フィネスが全面にでていて、あつみがあり甘く官能的、優雅、艶やかさが表れる気品と先例殿高いワインといわれています。長期熟成のワインです。
Nuits-Saint Georges(ニュイサンジョルジュ)
「華麗なる果実味から野性的な土の味わいのワイン」と表現されています。コートドニュイでは一番大きな町で、ヴォーヌロマネ村の南に位置しています。現在村にはグランクリュ畑はないのですが、北半分はヴォーヌロマネと地続きの斜面にあり、ヴォーヌロマネに近い味わいのワイン、南半分はニュイサンジョルジュらしい古典的野性味あふれる骨格のしっかりしたアルコール分を含むワインといわれています。
まとめ
どのAOCも甲乙つけがたいのですが、個人的にはシャンボールミュジニが好きです。滑らかなのどごしでのみやすく、ほんのりと甘みも感じる女性的なワインです。
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