イタリアワインは生産量で世界一を誇り、価格も手ごろで種類も多いと言われています。一方で色々ありすぎて、わかりずらいともいわれています。イタリアワインの特徴とその魅力についてまとめてみました。
目次
イタリアは20州全州でワインを生産しています
古代ローマにギリシャ人がワイン造りの知識をもたらされました。イタリアはぶどうの栽培とワイン造りに必要な気候、地形、土壌に恵まれており、「ワインを造る大地(エノトリア テルス)」とも呼ばれ、イタリア各地でワインが造られるようになります。現在は20州全州で、それぞれの州でそれぞれのワインが造られています。
1861年にイタリア王国として国家が統一されるまで、各産地が独自にワイン生産を発展させてきました。地産地消が基本だったことで、その土地に根差した土着品種のぶどうで、その土地の食材や料理を合わせていました。
また、南北に長い地形(日本に似ていますね)のため各地の気候が異なり、ぶどうの品種や栽培方法、ワインの醸造方法など産地によって異なり、400種類以上といわれる多様なワインが造られています。イタリアワインの特徴はなんといっても「多様性」といえます。歴史背景は中央集権のフランスとは大きく異なるところです。
生産量が多く、常に品質と価格が見合っているのも特徴の一つです。
イタリアの大部分は地中海性気候、夏は日差しが強く乾燥、冬は適度に雨が降ります。また北アルプス山脈、南北にアペニン山脈が通っているため、山岳地帯で造られるワインは引き締まったミネラルときれいな酸が特徴です。平野部では栽培を機械化し、大量生産の安いワインを生産しています。
イタリアワインの格付け、4段階
1963年にイタリア政府がワインの原産地呼称制度をスタートさせ、公式に認定を始めました。
D.O.C.G.(EUのD.O.P) 統制保障原産地呼称ワイン、古くからある伝統的な産地、D.O.C.より区画が絞られ、上級な畑がある。樽熟成の年数が高くなければいけないなど、生産範囲だけでなく、生産方法についても一番厳しい規定が定められています
D.O.C.(Denominazione Di Origine Controliata, EUのD.O.P) 統制原産地呼称ワイン、伝統的な産地と近年認められた産地、D.O.C.G.の次に厳しい規定のある格付けです
I.G.T.(Indicazione Geografica Tipica, EUのI.G.P.) 保護地理的表示、最初の2段階より広い範囲の産地のみ名乗ることができ、ワイン造りに関する規定は緩く、自由度も高くなります。85%以上その地域のワインを使う規定があります。
V.d.T.(Vino da Tavola、ビィーノ ダ ターヴォラ、EUのVino) 地理的表示のないテーブルワイン、特定の産地を名乗ることができません
2009年8月からEUの新ワイン法が適用され、D.O.P, I.G.P, Vinoの3段階の分類になりました。
またRISERVA(リゼルヴァ)やCLASSICO(クラッシコ)の特記事項があるワインはそれぞれより格付けが高いワインになります。
RISERVA : 原産地規定により同盟のわいんより更に一定期間長く熟成される、上質で味に深みが出る
CLASSICO :昔ながらの伝統的な地位で造られたワイン
北部イタリア、アルプスの山岳地帯から南に広がる丘陵地
アルプスの山岳地帯から南に広がる丘陵地。夏は暑く冬は寒い大陸性気候、冷涼な産地で、昔からジビエ料理を常食としており、タンニンのの強い香りやコクが豊かな赤ワイン。すっきりしたエレガントな白ワインができます。高級銘柄から地ぶどうまで揃います。
ピエモンテ州(Pemonte):冬期オリンピックが開催された「トリノ」がある。イタリア20州の中で、D.O.C.以上の格付けワインが一番多い、赤ワインのネッピーロ種が有名、フランスのサヴォア公国の領土だったため、フランス文化の影響が強い。
ロンバルディア州(Lombardia):イタリア第一の商業都市「ミラノ」がある州、スプマンテが有名
ヴェネト州(Veneto):面積が大きく「アドリア海の女王」と呼ばれた州、観光地「ヴェネツィア」がある。ワインの生産量も多い。お手頃な価格の白ワイン、ガルガーネガ種が有名。
有名なD.O.C.G.
バローロ(Barolo)、ピエモンテ州、ネッピーロ種、「イタリア三大赤ワイン」の一つ、「王のワイン」とたたえられる、長期熟成のポテンシャルを持ち、力強く濃密なワイン。
バルバレスコ(Barbaresco)、ピエモンテ州、ネッピーロ種、「イタリア三大赤ワイン」の一つ、バローロの弟分、繊細さや優雅さが感じられるエレガントなワイン
フランチャコルタ(Franciadorta), ロンバルディア州、シャルドネ種、高品質のスパークリングワイン、瓶内二次発酵方式で造られる、「フランスの庭」という意味
中部イタリア、山と海の影響を受けて様々な味わいを生み出す
固有種の黒ぶどう「サンジョベーゼ」で知られ、芳醇な、自然な、洗練された、深みのあるワイン。
トスカーナ州(Toscana):州都はフィレンツェ、偉大なワイン産地として有名、美しい丘陵地に広がる標高250-500mのぶどう畑。内陸部は大陸性気候、海岸部は温暖な地中海気候です。赤ワインの生産が89%、オリーブの生産でも有名
有名なD.O.C.G.
ブルネッロ ディ モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)、トスカーナ州、ブルネッロ種、「イタリア三大赤ワイン」の一つ、樽熟成がきいた力強いワイン, イタリアで最も高価なワインと言われています。男性的なワイン。
キャンティ(Chianti)、キャンティ クラシコ(Chianti Classico)、トスカーナ州、サンジョベーゼ種、「イタリアワインの顔」ともいわれる、わらの瓶が有名。イタリア最大のD.O.C.G.ワインの産地。繊細で優美、早飲みタイプは果実味が豊かで酸があり、親しみやすい味わい
イタリア南部、歴史的なワインの産地
歴史的なワインの産地。完熟したジューシーな果実味。ドライ、野性的、果実感ある、凝縮感あるワイン。小麦やオリーブの一大産地でもある。
カンパーニャ州(Campania):州都は「ナポリ」、ヴェズヴィオー火山があり、ミネラル豊かな火山性土壌と石灰土壌の恵み。
シチリア州(Sicilia) :イオニア海に浮かぶシチリア島、古代からぶどう栽培が盛ん。大きな島にはヨーロッパ最大の活火山「エトナ火山」があり、海に囲まれ魚介類が豊富で白ワインの生産量は58%
有名なD.O.C.G.
チェラスオーロ ディ ビットリア(Cerasuolo di Vittoria)、シチリア州、ネーロ ダヴォーラ種、果実の香りとスパイスの香りい富むワイン、色素が濃く、夏にやや冷やして飲む。
タウラージ(Taurasi)、カンパーニャ州、黒ぶどうアリアーニコ種、古代ローマ時代から知られた銘酒。ガーネット色のジビエ向きの熟成ワイン。南イタリアのバローロと称する人もいる。
まとめ
とにかく種類が多くて難しいという印象ですが、有名な産地と銘柄を覚えておくとよいと思います。ぶどうの種類もかなり多く、なかなか覚えられませんが。主要なもののみ覚えるとよいと思います。
産地は「ピエモンテ州」「トスカーナ州」、ぶどう種は「サンジョベーゼ」「ネッピーロ」を覚えましょう。
イタリアワインはゆっくりとイタリアを旅しながら、その土地のワインを郷土料理と合わせていただくのが一番美味しいのかな?と思いました。いつかゆっくりとイタリアを旅行したいと思います。
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